2026年にロードバイクを始めたい初心者の方は、まず10万円前後のエントリーモデルを選び、ヘルメットやライトなどの必須装備を揃え、安全な場所で基本的な乗り方を練習することから始めましょう。ロードバイクは、軽量なフレームと細いタイヤ、そしてドロップハンドルによる前傾姿勢が特徴のスポーツ自転車で、少ない力で効率的に長距離を走ることができます。国土交通省の「GOOD CYCLE JAPAN」では自転車の活用が健康増進の取り組みとして推進されており、2026年に向けて健康志向の高まりとともにロードバイクを始める人が増えています。
この記事では、これからロードバイクを始めたい初心者の方に向けて、ロードバイクの基礎知識から選び方、必要な装備、乗り方のコツ、メンテナンス方法、日本国内のおすすめサイクリングコースまで、総合的に解説します。正しい知識と準備があれば、初心者でも安全にロードバイクを楽しむことができますので、ぜひ参考にしてください。

ロードバイクとは何か
ロードバイクは、舗装路を高速で走行するために設計されたスポーツ自転車です。一般的な自転車であるママチャリと比較すると、いくつかの大きな違いがあります。
まずフレームには、アルミやカーボンなどの素材が使用されており、車体重量は7キログラムから10キログラム程度と非常に軽量です。タイヤは幅23ミリメートルから28ミリメートル程度の細いものを使用しており、これにより転がり抵抗が軽減されています。ハンドルは下向きに曲がった独特の形状をしたドロップハンドルで、複数のポジションを取ることができ、空気抵抗を減らす前傾姿勢を取りやすくなっています。変速機にはシマノやカンパニョーロなどのコンポーネントメーカーが製造する精密な変速システムが搭載されています。
ロードバイクの種類と初心者向けモデル
ロードバイクにはいくつかの種類があり、それぞれ特性が異なります。レース用ロードバイクは軽量性と剛性を重視し、レースでの速さを追求したモデルですが、前傾姿勢がきつく初心者には少し乗りにくい場合があります。エアロロードバイクは空力性能を重視したモデルで高速巡航に優れており、グラベルロードバイクは舗装路だけでなく砂利道なども走れる汎用性の高いモデルです。
初心者に最もおすすめなのはエンデュランスロードバイクです。これは長距離を快適に走ることを重視したモデルで、前傾姿勢が緩やかで振動吸収性に優れています。エンデュランスバイクは他のロードバイクに比べて重心が低く、初心者でもふらつきにくく安定した走行ができるのがメリットです。
また、前傾姿勢で走ったりバランスの取りにくい細めのタイヤで走ったりすることに不安がある方は、ロードバイクに乗る前にクロスバイクから始めることも一つの選択肢です。クロスバイクはフラットハンドルで乗りやすく、タイヤも少し太いため安定感があります。
2026年のロードバイク選び方ガイド
予算別の選び方
ロードバイクは10万円前後から200万円ほどまで価格に開きがあるため、スペックや用途に合わせて選ぶことが大切です。
5万円以下の極端に安いロードバイクはおすすめできません。走行性能が低く壊れやすいためです。予算的に5万円が限界という方は、クロスバイクも検討してみてください。
10万円前後の価格帯では、ロードバイクらしい軽快な走り心地を感じられる低価格帯モデルが購入できます。人気メーカーのエントリーモデルにあたるもので、コンポーネントにはシマノの安価帯のクラリスやリムブレーキを採用するなど、グレードを必要十分にしてコストが抑えられています。
10万円後半から30万円の価格帯では、ディスクブレーキを搭載しており、より軽量で今のトレンドをおさえたロードバイクが購入できます。30万円以上になると、軽量で適度に剛性があるカーボンフレームも視野に入る価格帯で、本格的なレース向けのスペックを持ったロードバイクが購入できます。
2025年から2026年モデルの価格例
具体的な価格の目安として、トレックの2025年から2026年モデルを見てみましょう。
| モデル名 | 年式 | 価格 |
|---|---|---|
| トレック ドマーネ AL 2 Gen 4 | 2026年モデル | 149,000円 |
| トレック ドマーネ AL 4 Gen 4 | 2026年モデル | 219,000円 |
| トレック エモンダ ALR 5 | 2025年モデル | 320,000円 |
| トレック エモンダ SL 5 | 2026年モデル | 339,000円 |
フレーム素材の違い
フレーム素材にはクロモリ(クロムモリブデン鋼)、アルミ、カーボンの3種類があります。
クロモリはしなやかで振動吸収性に優れ、乗り心地が良いのが特徴ですが、重量はやや重めです。クラシックな見た目を好む方に人気があります。アルミは軽量で価格も手頃、耐久性も高いのが特徴で、初心者に最もおすすめの素材です。種類も豊富に揃っています。カーボンは最も軽量で振動吸収性にも優れていますが、価格が高くなります。本格的にレースを目指す方や予算に余裕がある方向けです。
リムブレーキとディスクブレーキの違い
ブレーキには2種類あります。リムブレーキはホイールのリム(縁)を挟んで制動するタイプで、軽量かつ価格が比較的安い点がメリットですが、雨に濡れると制動力が落ちます。ディスクブレーキはホイールの中心にあるディスクローターを挟んで制動するタイプで、悪天候でも安定した強い制動力を発揮するのが魅力です。近年のトレンドはディスクブレーキに移行しています。
サイズ選びの重要性
ロードバイクのフレームサイズはS、M、Lなどのサイズ分けで説明されていますが、メーカーや年式によってフレームの長さや角度は違います。適切なサイズを選ばないと、長時間のライドで体に負担がかかったり、本来の性能を発揮できなかったりします。必ず実際に試乗するか、専門店でフィッティングを受けることをおすすめします。
日本で人気のおすすめメーカー
ロードバイクのメーカーは世界中にありますが、日本で人気の高いブランドをいくつかご紹介します。
ビアンキは1885年創業の、現存するブランドのなかで最古と言われる歴史を持つイタリアのスポーツバイクブランドです。140年以上にわたってサイクリング文化を牽引してきました。象徴的なブルーグリーンの「チェレステカラー」も有名です。
トレックはアメリカのウィスコンシン州に本社と工場を置く、世界最大規模の自転車製造・販売メーカーです。初心者からプロまで幅広いラインナップを持っています。
ジャイアントは台湾発祥の世界最大の自転車メーカーで、コストパフォーマンスに優れたモデルを多数ラインナップしています。
スペシャライズドはアメリカのカリフォルニア州に本社を置くブランドで、革新的な技術開発で知られています。キャノンデールはアメリカのブランドで、アルミフレームの技術に定評があります。
実店舗と通販の購入方法を比較
実店舗で購入するメリットとデメリット
スポーツバイク専門店で購入する最大のメリットは、最初からベストな状態で乗り出せることと、購入後のサポートが充実していることです。専門店ではプロのメカニックが細部まで調整した状態で納車するため、変速やブレーキのズレがなく、購入直後から快適に乗ることができます。
また、適切なサイズ選びができるよう試乗やプロによるアドバイスを受けられるため、「サイズが合わず乗りづらい」といった失敗を防ぐことができます。個人店で購入すれば、初心者の方には使い方や乗車時の注意点など説明してくれるお店がほとんどです。
デメリットとしては、ネット通販などに比べると初期コストがやや高く感じられるかもしれません。しかし、調整の手間や追加のメンテナンス費用を考えると、結果的に長期的なコストパフォーマンスが高いのが特徴です。
通販で購入するメリットとデメリット
オンラインショップで購入した方が安い傾向があります。特に海外のスポーツ専門オンラインショップでは割引セールを行っていることがあり、欲しかったロードバイクが驚きの価格で手に入ることがあります。近くのお店にはあまり種類が置いていないということもあるかもしれませんが、ネットであれば豊富なモデルから選ぶことができます。
一方でデメリットも多くあります。サドルの高さや乗車姿勢など簡単なフィッティングも店で購入していれば無料でしてくれますが、ネットで購入した場合は自分で調べるかお金を出してフィッティングを受ける必要があります。完成車を購入してもパーツが外されて整備されていない状態(7分組)で送られてくることもあります。
通販購入で一番のデメリットとなるのが「メンテナンス」です。自転車の調子が悪くなってしまったときに頼れるショップがないと心配です。「通販で格安で購入できたけれども、他店購入で頼むとメンテナンス代が結構かかった」ということもあります。最近では「ネットで買ったロードバイク」を一切見てくれないショップもあります。また、メーカーの中にはネットでの販売を一切行っておらず購入できない車種があり、代表的なところだとジャイアントがそれにあたります。
初心者への購入方法の推奨
初めてロードバイクを購入される場合は、自転車ショップの店頭で購入することが推奨されています。初心者は実店舗で購入する方がメリットが多いです。ただし、デメリットを全て自分で解決、または許容できるのであれば通販で購入するのも良いでしょう。
ロードバイク初心者に必要な装備一覧
法律で必要な装備
ベルは法律で取り付けが義務付けられており、歩行者や他のサイクリストに自分の存在を知らせるための重要なアイテムです。
ライトについては、夜間走行時のライトや反射材の使用は道路交通法第52条第1項で定められているため、必ず確認しましょう。車道を走行する機会の多いロードバイクはリアライトも点灯しておきましょう。リアライトを点灯することによって自動車からの視認性が良くなり、事故に巻き込まれる可能性を減らすことができます。
安全装備の選び方
ヘルメットはロードバイクに乗る上で必須の安全装備です。ロードバイクは高速で走る乗り物なので、転倒時のリスクが高くなります。特に初心者はバランスを崩しやすいため、ヘルメットは必須装備です。ヘルメットを着用すると死亡リスクは4分の1に抑えられるというデータも出ています。ヘルメット着用は、2023年4月よりすべての自転車利用者に対して努力義務が課されました。
選び方のポイントとして、安全性はJCF(日本自転車競技連盟)やCE(欧州規格)などの認証を受けているものを選びましょう。軽量性については長時間のライドでも疲れにくい200グラムから300グラム程度のモデルがおすすめです。予算の目安は5,000円から2万円ほどで、あまりに安いヘルメットは心許ないのでできれば1万円前後のものは最低用意したいところです。
グローブはサイクリング用のものを選びましょう。手のひらの部分にパッドが入っていて、ハンドルから伝わる衝撃を吸収してくれる機能があります。転倒時に手を守る役割もあります。
アイウェア(サングラス)も重要な装備です。サングラスなしでは乗れないといっても過言ではありません。紫外線や風、虫、飛び石から目を守ります。落車して不幸にもレンズがわれた場合に眼球を傷つける可能性があるため、強度が高いポリカーボネートのレンズが使われているものがおすすめです。
サイクルウェアについて
サイクルジャージは体にフィットするシルエットで、空気抵抗が少なく動きやすさは抜群です。背中にポケットがついており、補給食やスマートフォンなどを収納できます。吸汗速乾性に優れた素材が使われています。
サイクルパンツ(レーパン)はお尻の痛みを軽減してくれるパッド付きなので初心者には必須です。長時間のライドでもお尻が痛くなりにくくなります。
ただし、初めからサイクルウェアをそろえなくても大丈夫です。動きやすくあまりバタバタしない服装であれば、普段着やスポーツウェアでも問題ありません。慣れてきたら徐々にサイクル専用ウェアに移行していくのも良いでしょう。
その他揃えるべき必須アイテム
初心者が揃えるべきものは最低9個あります。ヘルメット、昼間でも必須のライト(前後)、盗難防止に必須のチェーンロック、ボトルケージ、ボトル、空気入れ、パンク修理キット、ベル、ペダル(別売りの場合)です。
チェーンロックは駐輪時の盗難防止に必須です。軽量なワイヤーロックから頑丈なU字ロックまで様々な種類があります。ボトルケージとボトルは走行中の水分補給に必要で、フレームに取り付けて使用します。
空気入れについては、ロードバイクは空気圧管理が重要です。自宅用のフロアポンプと携帯用のミニポンプの両方を用意しましょう。
パンク修理キットは必須装備です。ロードバイクのタイヤは空気圧が高く細いためパンクしやすいです。ロングライドやツーリング中にパンクすると修理できなければ走行不能になるため、パンク修理キットと携帯ポンプは必ず持っていきましょう。
多くのロードバイクは完成車でもペダルが付属していないため、別途購入する必要があります。
ペダルとシューズの選び方
フラットペダルとビンディングペダルの違い
ペダルには大きく分けて2種類あります。フラットペダルは一般的なペダルで、普通の靴で乗ることができます。構造上引き上げるという力はペダルには伝えられませんが、初心者にとっては足をすぐに地面につけられる安心感があります。
ビンディングペダルは専用のシューズと組み合わせて使用し、ペダルとシューズを固定できます。ビンディングシューズはペダルと固定されているため引き上げる力も推進力に変えられ、使う筋肉の部位も増えるため負担の分散もできます。
初心者はどちらを選ぶべきか
人によっては「最初からビンディングシューズを使うのがおすすめ」という方もいますが、本当に最初からビンディングでスタートするよりはある程度慣れてからにしたほうがいいでしょう。ある程度乗り慣れるまではフラットペダルのほうが良いと思われます。ロードバイクに乗り慣れてない状態でビンディングだと、急な飛び出しなどでサッと足を出せずに大きなケガをすることもあるからです。
初心者におすすめのペダル
片面ビンディング・片面フラットペダルという選択肢があります。片面はビンディングペダル、片面はフラットペダルとなっているので、ビンディングを使わず普通のスニーカーでも乗れるという選択肢があるのも初心者には安心です。シマノのPD-EH500は片面がSPD、もう片面がフラットペダル仕様で、普段のスニーカーでもビンディングシューズでも使えます。「ビンディングに慣れるまで片足だけ試す」といった使い方もできるので、初心者に優しい選択肢です。
SPDペダルもおすすめです。スポーツバイク初心者にはロードバイクでもあえてオフロード用のSPDペダルをおすすめします。歩きやすく固定力も弱めで着脱しやすいためです。ビンディングペダル初心者はSPDシリーズから始めることをおすすめします。
フラットペダル用シューズの選び方
フラットペダルを使用する際、シューズで気をつけたいポイントは「しっかり踏み込めるよう硬めのソールである」「ペダルから滑りにくいグリップが効くソールである」ことです。バンズなどのスケートシューズはワッフルソールと呼ばれるゴムのソールがフラットペダルとの相性が良く、踏み込んだ際に滑りにくいことが特徴です。
立ちゴケ対策
ビンディングペダルを使用する際の最大の注意点は「立ちゴケ」です。信号待ちなどで止まる際にペダルから足を外し忘れて転倒してしまうことがあります。一番の対策は練習をしっかりすることです。走行前にペダルの着脱練習を繰り返し、感覚を体に覚え込ませましょう。信号で止まるときは減速しながら早めに片足を外すクセをつけておくと、立ちゴケのリスクを減らせます。
ロードバイクの正しい乗り方
正しい姿勢の取り方
ロードバイクで前傾姿勢をとる際は、背中は適度に丸めると体に負担がかかりにくいです。背中が反ってしまったり1か所に負荷が集中したりしないようにしましょう。腰や背中を痛めやすく、上半身の力をペダルに伝えられないため余計に疲れてしまいます。
まずはサドルよりハンドルの上部が5センチ低い位置にしてから調整を始めてみましょう。ハンドルの位置を変えるとサドルの乗り心地も変わってきますのでトータルでバランスよく調整してください。ロードバイクは前後にバランスよく荷重がかかった状態が理想です。肩で上半身を支えるのではなく、上半身を腹筋・背筋といった体幹で支えることになります。
ドロップハンドルの握り方
ロードバイクではドロップハンドルを使います。手の位置はブレーキレバーに指がかかる程度で、STIレバーを上から握るようにします。
ハンドルが遠く感じ、つい肘が伸び切ってしまいますが、これでは手や肩に負担がかかってしまいます。路面からの衝撃も吸収できないためバランスを崩しやすくもなります。肩の力を抜いて肩甲骨を落とすと腕を前に伸ばしやすくなります。
効率的なペダリングのコツ
効率的なペダリングというのは「踏む」のではなく「回す」ことが重要です。ペダルの回転を時計に見立てたときに、一番力が入るのが1時から4時ぐらいといわれています。一番力が入る部分でペダルをしっかりと踏込みながらも、それ以外の部分でも足をスムーズに動かしてキレイな円運動を描くように漕いでいくのが理想的です。
低ケイデンスでペダルを回しがちですが、重めのギアでぐいぐい踏み込むようなペダリングだと太もも前側の同じ筋肉しか使わないため、疲労が脚に蓄積されやすくなります。これまで最適と感じていたギアから2枚程度シフトダウンし、ケイデンスを上げて回すようにしてみます。ケイデンスセンサーがあれば90回転から100回転毎分くらいが目安です。
サドルの高さ調整
漕ぎやすいようにサドルを高めに設定した方がいいので、座った状態で足がつかないか爪先だけちょこっとつくくらいになります。最初は不安かもしれませんが、この高さが効率的なペダリングには必要です。
個人差について
ロードバイクにまたがって前傾姿勢を取ったとき、骨盤が倒れる人もいれば全然倒れない人もいます。これは先天的なもので、どれが良い・悪いということではありません。自分が持っている先天的な上半身の曲がり方ではない姿勢を取ろうとしても、うまく走れなくなってしまいます。自分に合ったポジションを見つけることが大切です。
初心者向けトレーニングと練習方法
初心者の心構え
初めて乗る時は安全を期して怪我をしないように練習場所は必ず選んで取り組むようにしましょう。最初は安全な場所で乗車姿勢や変速動作に慣れるための練習を行いましょう。
LSDトレーニングとは
体力作りとして「低強度で長く乗る」(LSD:Long Slow Distance)という取り組みに多く時間を割くことがおすすめです。最低でも3時間、距離にして80キロメートル以上を、会話ができるくらいの強度でゆったり長く走ることです。
LSDはロードバイクの練習の基本としてスタミナ養成・持久力向上に効果的です。長い時間筋肉に軽い負荷をかけ続けることで筋肉中の毛細血管を増加させ、酸素摂取量増加を狙います。
目安の距離と頻度
週換算で200キロメートル、月換算で800キロメートルほどの距離を走るのを目安にするのがよいでしょう。これを1か月継続できたら、次のステップに移ります。
初めてのロングライドならばまずは30キロメートル前後から始めてみるのがおすすめです。ロングライド前に何度か10キロメートルから20キロメートルの短距離を走ってバイク操作に慣れておき、徐々に走行距離を伸ばしていくと無理なくロングライドを走れるようになります。
有酸素運動は開始20分経過した頃から脂肪を燃焼する効率が上がります。効率良く脂肪を消費するために最低でも30分以上は走りたいところです。
休息の重要性
週2回から3回続けられる程度の強度が適正とされています。初心者は徐々に運動強度を上げていき、高強度の運動に体を慣らしていくとよいでしょう。トレーニングの効果を確実に得るためには、休日を含めて週に4回は自転車に乗る時間を作りたいところです。ただし、休息日も設けることが大切です。
ロードバイクメンテナンスの基本
メンテナンスの重要性
ロードバイクはマメなメンテナンスが必要です。小さな部品のゆるみが事故につながる恐れもあります。乗車前の点検に加え、年1回ほどは専門店での定期点検・整備を忘れずに行うようにしましょう。
初回点検・1年点検などの定期点検は必要ですが、空気を入れる・自転車を拭く・チェーン洗浄と注油の簡単なメンテナンスをやっていただけると、そんなにトラブルはないかと思います。このメンテナンスでパンクのリスクを減らせますし、チェーンやギア類のトラブルも少なくなります。
空気入れの選び方と使い方
空気を入れるバルブが仏式のロードバイク用の空気入れを用意しましょう。ロードバイクは空気圧の数値を見ながら入れるため、目視できるゲージのついた空気入れがおすすめです。
最初の1本は空気の挿入量の多い固定式のポンプで、圧力ゲージがついているモデルを選びましょう。間違っても携帯用空気入れは買わないこと。空気入れが苦痛な作業になってしまいます。
空気圧管理の頻度
スポーツバイクは一般車(ママチャリ)に比べタイヤが細く、高圧で空気を入れます。そのため空気の抜ける量が多くなります。ロングライドやサイクリングに出かける前や、通勤・通学で毎日走る場合にも、週に1回から2回は空気圧を確認しましょう。
乗っていなくてもタイヤの空気は減っていきます。できれば走る前に必ず空気を入れる習慣をつけるとパンクなどのトラブルを未然に回避できるのでおすすめです。
チェーンメンテナンスの方法
自転車のチェーンは走行を重ねるごとにホコリや砂、雨、排気ガスによる汚れがたまっていきます。汚れたままにしておくとチェーンがサビたり変速しにくくなるなど走り心地に影響が出てしまうので、快適な乗り心地を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。
100キロメートルから200キロメートルくらい走ったら洗車とチェーン洗浄・注油はしたいところです。ただし、雨の中を走ったり海沿いの道を長く走ったりなど条件の悪い場所を走った後は距離に関係なくメンテナンスをした方がいいでしょう。
注油のポイント
注油についてはオイルの種類にもよりますが、基本的に乗車する直前では効果は低くなります。オイルがチェーンに塗布されて馴染むまでにどんなに早くても15分は掛かります。理想は前日12時間以上前には塗布しておく方がオイルの性能をより引き出せます。
専用オイルを少しずつ(一滴ずつ)、内側のローラー部に注油していきましょう。注油し過ぎたままだとほこりやごみが付着しやすいので、余分なオイルのふき取りを忘れずに。チェーンに注油するチェーンオイルはドライタイプ・ウェットタイプなどがあります。コンディションや用途によって使い分けましょう。
消耗品の交換目安
チェーンは使用頻度にもよりますが、走行距離3,000キロメートルを目安に交換してしまうのがおすすめです。
タイヤは走行距離で3,000キロメートルから5,000キロメートルを目安に交換しましょう。あまり走っていないタイヤでもゴム製品の経年劣化がありますので、1年ほどを目安に交換することをおすすめします。
パンク修理の方法と対策
パンクの主な原因
実際には釘などを踏みつけて起こる突き刺しパンクに遭遇することはそれほど多くなく、空気圧不足によるリム打ちがパンクの原因の最も大きいものです。「パンクの9割はタイヤの空気圧を適正に保っていれば防げる」とのことで、ロードバイクの場合は1週間に1度、できれば乗る前は毎回空気圧をチェックしておくことが推奨されています。
2種類の修理方法
ロードバイクやクロスバイクのパンク修理には、パッチを使ってチューブの穴を塞ぐ方法と、チューブをまるごと交換するチューブ交換の方法の2つがあります。サイクリング中などの外出の場合、パンクした穴を探す時間手間がかかるパッチを使った方法より、チューブ交換がおすすめです。
必要な道具
パンク修理に必要なものは携帯ポンプ、タイヤチューブ、タイヤレバーの3つです。この3点は自転車で出かけるときにバックパックなどに入れて必ず携帯しましょう。チューブは傷がつきやすいので、商品パッケージから出してラップなどで巻いて保護しておくといいです。
チューブ交換の手順
まずホイールを外します。ホイールを外す際は車体を上下逆さまにします。上下逆さまにすると車体が安定し、ホイールが外しやすくなります。後輪を外す場合、ギアをトップ側(一番外の小さいギア)に入れるとホイールが外しやすくなります。
次にタイヤを外します。タイヤレバーでビードをリムから外すコツはタイヤレバーの先端3分の1程度だけを差し込むことです。タイヤレバーを奥までグイッと差し込みがちですが、そうするとチューブを巻き込んでパンクさせやすくなってしまいます。
異物が刺さったパンクの場合、タイヤに異物が残っている可能性があります。異物がタイヤに残ったまま新しいチューブに交換しても再びパンクしてしまうのでタイヤの表面裏面をしっかり確認しましょう。
新しいチューブを入れるときはバルブを中心に左右から同じようにはめていきます。チューブに軽く空気を入れますが、入れすぎるとチューブが長くなって入れにくくなります。ねじれと嚙みこみ防止にチューブに少しだけ空気を入れます。バルブをホイールに差し込み、チューブをタイヤ内に納めます。
タイヤをはめるときはバルブの反対側からビードをはめていきます。常にバルブを中心にして左右から均等にはめていきます。どうしても素手ではまらない場合はタイヤレバーを使いますが、タイヤレバーでチューブをかみこむリスクが高くなるため極力工具を使わずに入れてください。
空気を入れる前にタイヤとホイールの隙間にチューブが挟まれていないかを確認します。両サイドタイヤ全周に渡って確認します。バルブ付近が噛み込みやすいのでよく確認しましょう。
初心者へのアドバイス
チューブ交換に必要なアイテムを揃えていれば、チューブの交換も慣れてしまえば短時間でできるようになります。できれば現場でパンクに遭遇するまえに事前に練習しておけば、現場で落ち着いて作業できます。慣れてしまえば10分もかからず対応できるようになるでしょう。
交通ルールとマナーを守る
自転車は車両である
自転車は道路交通法では軽車両に位置付けられており、「車のなかま」です。道路を通行するときは「車」として交通ルールを遵守するとともに交通マナーを実践するなど安全運転を心掛けましょう。
自転車安全利用五則
警察庁の公式サイトでは「自転車安全利用五則」が紹介されています。そのうちの1つ目の規則が「車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先」です。車道と歩道の区別がある道路においては、自転車は原則として車道の左側に寄って走行することが定められています。車道はクルマなどと同様、左側通行がルールです。車道の右側通行は「逆走」にあたり、とても危険な行為です。
ロードバイク特有の注意点
スポーツ用自転車は走行速度域が高いため(ロードバイクでは平地の巡航速度が時速20キロメートルから35キロメートル程度)、歩道を走ることは路面の状況や歩行者との関係、自動車や他の自転車との関係も含めてコントロールが難しくとても危険を伴います。
事故統計について
令和6年中の自転車関連事故の件数は67,531件で前年より4,808件減少しました。自転車関連の死亡・重傷事故の相手当事者はその約75パーセントが自動車で最も多くなっています。自転車と自動車の事故のうち、出会い頭衝突による事故が約55パーセントで最も多く発生しています。
マナーについて
大前提として、周りに歩行者や自転車がいる場合はスピードを出しすぎないようにしましょう。スピードの出し過ぎは周囲に恐怖感を与えるし、接触事故が起きた際に大事故となる可能性があります。
あおり運転は自動車に限ったものではありません。ロードバイクでも当然御法度です。自動車と同様、少し広すぎるぐらいの車間距離を意識したいところです。
車道走行時の注意点
路上駐停車している車には注意が必要です。急にドアが開いたり動き出したりと危険です。車の陰から人が飛び出してくることもあります。避ける際は後続車が来ていないか確認が必要です。
交通ルールやマナーを無視した乱暴な運転をしていると、交通事故の加害者として相手に大きな障害を負わせたり命を奪うなど悲惨な事故につながります。また刑罰だけでなく、高額な損害賠償を請求された事例もあります。
ヘルメット着用について
ヘルメットの着用は2023年4月から「努力義務」となりました。レース仕様の自転車の場合は普通の自転車よりもスピードが出るため、努力義務ではあるがケガ防止のため必ず着用するようにしたいところです。
日本国内のおすすめサイクリングコース
ナショナルサイクルルートとは
ナショナルサイクルルートは、日本を代表して世界に誇りうるルートとして国がその水準と価値を認めたルートを指定したもので、2019年に最初の3ルート「しまなみ海道サイクリングロード」「ビワイチ」「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が指定されました。
初心者向けレベルの目安
初心者レベルは0キロメートルから30キロメートル程度で、ほぼ平坦なコースがおすすめです。サイクリング初心者の場合は1時間から2時間程度で走れる全長20キロメートル以下から始めるのがおすすめです。体に負担をかけすぎずに景色がゆっくり楽しめます。
つくば霞ヶ浦りんりんロード(茨城県)
広大な田園風景と雄大な霞ヶ浦の景色が織りなす、つくば霞ヶ浦りんりんロードの魅力があります。初心者でも走りやすい平坦な道が続くため、サイクリングデビューにもおすすめです。廃線敷を利用した旧筑波鉄道コースは全長約40キロメートルですが、坂道やカーブが少なく休憩地点が多いため初心者でも走りやすいでしょう。
びわ湖一周(ビワイチ・滋賀県)
びわ湖一周サイクリングロードは、琵琶湖の美しい景色を楽しみながらほぼ平坦な道を走ることができます。初心者の方は琵琶湖大橋周辺の約10キロメートルのコースから始めて、慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしていくといいでしょう。
しまなみ海道(広島県から愛媛県)
しまなみ海道のサイクリングロードは海峡を渡れる日本初のコースです。尾道駅前からスタートし向島を2時間ほどで一周する初級コースがおすすめです。観光とスイーツ巡りができるので、旅行気分でサイクリングを楽しみたい人にぴったりでしょう。
山中湖畔サイクリングロード(山梨県)
山中湖は1周約14キロメートルで、その約8割がサイクリングロードとして整備されています。身体的負担が大きくないことからサイクリング初心者に打ってつけの場所と言えるでしょう。富士山を眺めながらのサイクリングは格別です。
メイプル耶馬サイクリングロード(大分県)
大分県中津市のメイプル耶馬サイクリングロードは、耶馬溪鉄道廃線跡を利用した全長35キロメートルのサイクリングロードです。勾配があまりなく、自転車に慣れていない人でもチャレンジしやすいでしょう。
東京都内のコース
東京都内で安全に楽しめる人気のサイクリングコースがあります。特に荒川サイクリングロードは東京都内最長のサイクリングコースで、平坦な道が続くため初心者の方にもおすすめです。河川敷を走るので車の心配もほとんどありません。
初心者向けアドバイス
ロードバイクのサイクリングのコツは、まず「無理をしない」こと。初心者は最初に頑張りすぎて後半ペースダウンしてしまいがちです。「少し楽かな」くらいがちょうど良いでしょう。体力と走力に自信が付くまでは平坦中心のコース取りにしておいた方が良いでしょう。
サイクルイベントへの参加
ファンライドイベントとは
サイクルイベントは「レースは敷居が高い」と思っている方でも気軽に参加できる「ファンライド」形式のイベントが数多く開催されています。特に2025年12月から2026年3月の冬春シーズンは気候が安定しており、初心者にとって絶好の参加時期です。
初回参加の目安
初回参加では50キロメートル以下の距離から始め、徐々にステップアップしていくことをおすすめします。イベントには給水所や休憩ポイントが設けられていることが多く、初心者でも安心して参加できます。
イベント参加のメリット
サイクルイベントに参加することで、同じ趣味を持つ仲間と出会えるという魅力があります。目標ができることでモチベーションが上がりますし、コースが設定されているので道に迷うこともありません。サポート体制が整っているので初心者でも安心です。また、普段走れない道路を走れることがあるのも特別な体験となります。
ロードバイク初心者が知っておくべきまとめ
ロードバイクは正しい知識と準備があれば、初心者でも安全に楽しむことができるスポーツです。2026年に向けて健康志向の高まりとともに、ロードバイクを始める人はますます増えていくでしょう。
まずは自分の予算と目的に合ったロードバイクを選び、必要な装備を揃えることから始めましょう。初心者には10万円前後のアルミフレームのエンデュランスロードバイクがおすすめです。購入は専門店での店頭購入が推奨されており、フィッティングやアフターサポートを受けられるメリットがあります。
必須装備として、ヘルメット、前後ライト、チェーンロック、ボトルケージ、ボトル、空気入れ、パンク修理キット、ベル、ペダルの9点を揃えましょう。ペダルは最初はフラットペダルから始め、慣れてきたらビンディングペダルへの移行を検討するのがおすすめです。
乗り方については、正しい前傾姿勢を身につけ、「踏む」のではなく「回す」ペダリングを意識しましょう。トレーニングは10キロメートルから20キロメートルの短距離から始め、徐々に距離を伸ばしていくことが大切です。
メンテナンスでは空気圧管理が最も重要で、週1回から2回は空気圧を確認し、できれば乗る前に毎回空気を入れる習慣をつけましょう。チェーンの洗浄と注油も100キロメートルから200キロメートル走行ごとに行うことで、快適な走りを維持できます。
交通ルールとマナーを守り定期的なメンテナンスを行うことで、長く安全にロードバイクライフを楽しむことができます。日本にはナショナルサイクルルートをはじめ、素晴らしいサイクリングコースがたくさんあります。ぜひロードバイクで新しい景色に出会い、健康的で充実した生活を送ってください。


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