ロードバイク35km/h巡航に必要なワット数を徹底解説!効率的な速度アップ法

ロードバイク

ロードバイクを乗り始めて少し経つと、速度に対する関心が高まってきます。特に平坦な道で時速35km前後の巡航速度を目指す方は多いのではないでしょうか。しかし、その速度を維持するには一体どれくらいの出力(ワット数)が必要なのでしょうか。

多くのサイクリストが経験する「30km/hの壁」を超え、35km/hや40km/hという高速域で安定して走るためには、単に脚力だけでなく、効率的なポジションやペダリング技術、そして適切なトレーニングが不可欠です。本記事では、ロードバイクの出力と速度の関係性について詳しく解説し、より速く、より効率的に走るための知識をお届けします。

速度と必要ワット数の関係は単純なものではなく、様々な要因が影響します。空気抵抗、ライダーの体格、ポジション、路面状況、風向きなど、多くの変数が絡み合っています。そのため「35km/hには何ワット必要」という単純な答えはありませんが、一般的な目安と効率的に速度を上げるための方法について詳しく見ていきましょう。

ロードバイクで35km/h巡航に必要なワット数はどれくらい?

35km/hという速度を維持するためには、一般的な条件下で約170〜220ワット程度の出力が必要とされています。ただし、この数値は多くの要因によって大きく変動します。

パイオニアのパワーメーター測定値によると、フラットな路面で無風に近い状態の場合、35km/h巡航で約200〜220ワット程度の出力が必要です。また別のデータでは、ブラケットポジションで35km/hを維持するのに187ワット、下ハンドルポジションなら164ワットという数字も示されています。

必要ワット数に影響する主な要因には以下のようなものがあります:

  • ライダーの体重と体格:体が大きいほど空気抵抗も増加します
  • ライディングポジション:エアロ効果の高いポジションほど必要ワット数は減少します
  • 機材の空力性能:エアロロードバイクやディープリムホイールは効率を高めます
  • 風向きと風速:向かい風であれば著しく必要ワット数が増加します
  • 路面状態:舗装状態の悪い路面では転がり抵抗が増加します
  • 標高と気温:高地や高温時は空気密度が変化し、抵抗も変わります

一般的に、65kg程度の体重のサイクリストが平坦で無風の良好な路面を走る場合、35km/hを維持するには約3W/kg(体重1kgあたり3ワット)程度の出力が必要と言われています。つまり65kgの人なら約195ワット程度です。

重要なのは、「35km/hという速度は30km/hからの単なる5km/h増加ではない」ということです。速度の増加に対して必要な出力は指数関数的に増加するため、30km/hから35km/hへの変化は、体感的にも大きな壁となります。

ポジション別に比較!35km/hを維持するために必要な出力の違い

ロードバイクの世界では「良いポジションは良い機材に勝る」と言われるほど、ライディングポジションの重要性が強調されています。35km/hという速度では、すでに空気抵抗が総走行抵抗の80%以上を占めるため、いかに空気抵抗を減らせるかが効率的な走行の鍵となります。

各ポジションにおける35km/h巡航時のおおよその必要ワット数を比較してみましょう:

  1. ブラケットポジション(上体が起きた状態):約185〜200ワット
    • CdA値約0.277㎡(空気抵抗係数×前面投影面積)
    • 楽な姿勢だが空気抵抗が大きい
  2. 下ハンドルポジション(肘を曲げて前傾姿勢):約160〜175ワット
    • CdA値約0.236㎡
    • 約20〜25ワットの節約になる
  3. エアロブラケットポジション:約170〜185ワット
    • ブラケットを握ったまま肘を90度曲げる姿勢
    • 下ハンドルより少し効率は落ちるが、長時間維持しやすい

空気抵抗を最小限に抑えるポジションを取ることで、同じ速度を維持するのに必要なワット数を大幅に削減できます。例えば、一般的なブラケットポジションから下ハンドルポジションに変えるだけで、35km/h巡航時に約23ワットもの節約になるというデータもあります。これは長距離ライドでは非常に大きな差となります。

ただし、低い姿勢は体幹への負担も大きくなるため、適切な体幹トレーニングも必要です。また、エアロポジションは前方視界も制限されるため、安全に配慮したポジション取りが重要です。

効率的なポジションを習得するためのステップ:

  1. 適切なバイクフィッティングを受ける
  2. 徐々に前傾姿勢に体を慣らしていく
  3. 体幹トレーニングを行い、低いポジションを長時間維持できる筋力をつける
  4. 様々な状況に応じたポジションの使い分けを練習する

35km/hから40km/hに速度アップするためには何ワット増やせばいい?

速度が上がるにつれて必要なパワーは指数関数的に増加します。具体的には、空気抵抗は速度の3乗に比例して増加するため、少しの速度アップでも必要ワット数は大きく増加します。

35km/hから40km/hに速度を上げるために必要な追加ワット数を見てみましょう:

  • 35km/h巡航:約170〜200ワット(ポジションによる)
  • 40km/h巡航:約250〜280ワット(ポジションによる)

つまり、わずか5km/h速度を上げるだけで、約80〜90ワット程度の追加出力が必要になります!これは約40〜50%のパワー増加に相当します。

具体的な数値例(一般的なブラケットポジションの場合):

  • 30km/h:約110〜130ワット
  • 35km/h:約170〜190ワット
  • 40km/h:約260〜280ワット
  • 45km/h:約370ワット
  • 50km/h:約500ワット以上

この関係からも分かるように、高速域での速度アップは非常に大きなエネルギーを要します。そのため、単に「もっと頑張ってペダルを踏む」だけでなく、効率的なポジションの獲得やフォームの改善が重要になります。

また、向かい風の場合はさらに必要ワット数が増加します。風速5m/sの向かい風では:

  • 35km/h:約330〜385ワット
  • 40km/h:約450〜520ワット

このような大きな差が生じるため、40km/h以上の高速巡航では、一般的なアマチュアサイクリストにとって、集団走行でのドラフティング(風除け効果)が非常に重要になります。

ロードバイクの巡航速度を35km/h以上にするためのトレーニング方法

35km/h以上の速度を安定して出せるようになるためには、計画的なトレーニングが必要です。ここでは、巡航速度を向上させるための効果的なトレーニング方法を紹介します。

1. エアロポジションの習得

まずは効率的なライディングポジションを身につけましょう。エアロポジションに徐々に体を慣らしていくことで、同じ出力でもより速く走れるようになります。

  • ブラケットポジションでの肘曲げトレーニング
  • 下ハンドルポジションでの短時間走行から徐々に時間を延ばす
  • 体幹トレーニングでコアの筋力を高める

2. インターバルトレーニング

高強度と回復を繰り返すトレーニングは、効率よく出力を高める効果があります。

  • 1分半〜2分間の高強度ペダリング後、5分間の軽いペダリングで回復
  • 目標速度(例:35km/h)で5分間走行し、3分間の回復を挟む
  • シンプルに短距離を全力で走り、十分な休息を取るスプリントトレーニング

3. パワートレーニング

特定のパワー出力を維持するトレーニングは、高速巡航に必要な筋持久力を養います。

  • FTP(機能的閾値パワー)の80〜90%の出力を15〜20分間維持
  • 徐々に維持時間を延ばしていく(最終的には30〜40分)
  • パワーメーターがない場合は、心拍数を目安にする(最大心拍数の85〜90%程度)

4. ペダリング効率の向上

効率的なペダリングは少ない出力でより速く走るためのカギとなります。

  • 股関節の伸展を意識したペダリング
  • 12時から3時ではなく、1時半から7時半の角度でパワーを掛け続ける
  • 片足ペダリングトレーニングで円滑なペダリングを練習

5. 長距離ライド

基礎体力とペース配分を向上させるには、長時間のライドが効果的です。

  • 心拍数を最大の70〜75%程度に抑えた長時間ライド
  • 一定のパワーやケイデンスを維持する練習
  • 信号とトイレ以外は止まらずに走り続けるような設定

これらのトレーニングを組み合わせることで、35km/h以上の巡航速度を安定して出せる身体能力と技術を身につけることができます。ただし、過度なトレーニングは怪我や疲労につながるため、適切な休息を取りながら段階的に強度を上げていくことが重要です。

なぜロードバイクの速度が上がると必要ワット数は指数関数的に増えるのか?

ロードバイクの速度が上がると必要なワット数が急激に増加する理由は、主に空気抵抗の特性にあります。これを理解することで、効率的な走行戦略を立てることができます。

空気抵抗の法則

空気抵抗は速度の2乗に比例して増加し、それを克服するために必要なパワー(ワット数)は速度の3乗に比例して増加します。このため、速度が2倍になると、空気抵抗は4倍に、必要なパワーは8倍になるという驚くべき関係があります。

例えば:

  • 時速20kmから時速40kmへと速度が2倍になると、必要なパワーは約8倍に
  • 時速30kmから時速33kmへと10%速度が上がると、必要なパワーは約33%増加

これはなぜ「30km/hの壁」や「35km/hの壁」という表現があるのかを説明しています。わずかな速度アップでも必要なパワーは大きく増加するのです。

速度域による抵抗の割合変化

速度によって、総走行抵抗に占める各抵抗の割合も変化します:

  • 時速15km程度:空気抵抗と転がり抵抗が約50:50
  • 時速30km:空気抵抗が総抵抗の約80%を占める
  • 時速40km以上:空気抵抗が総抵抗の約90%以上を占める

このため、低速域では転がり抵抗の改善(タイヤの選択など)も効果的ですが、35km/h以上の高速域では空気抵抗の削減が圧倒的に重要になります。

傾斜による影響

さらに、傾斜がある場合はまた別の要素が加わります。上り坂では、重力に抗するためのパワーが必要になり、速度が落ちると空気抵抗の割合も減少します。

例えば3%の上り坂では:

  • 空気抵抗の割合が減少し、代わりに位置エネルギーへの変換が必要
  • 30km/hを維持するには平地よりも大幅に高いワット数が必要

このように、ロードバイクでの速度とパワーの関係は複雑ですが、これらの物理法則を理解することで、自分の能力に合わせた効率的な走行方法を選択できるようになります。


35km/hという速度はカジュアルなサイクリストと熟練サイクリストを分ける一つの指標とも言えます。この速度を維持するためには、約170〜220ワット程度の出力が必要ですが、ポジションの改善によって大幅にエネルギーを節約することが可能です。

効率的なトレーニングや適切なポジション取り、そして空気抵抗の物理的特性を理解することで、あなたも35km/h以上で快適に巡航できるサイクリストになることができるでしょう。最初は短い距離から始めて、徐々に持続時間を延ばしていくことが、この「壁」を突破する秘訣です。

ロードバイクの魅力の一つは、自分自身の成長を数字として実感できることにあります。今は35km/hが目標でも、適切なトレーニングを続ければ、いずれ40km/h巡航も夢ではありません。自分のペースで着実に進歩していきましょう!

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