【保存版】ロードバイク巡航速度上げるトレーニングと30km/h突破のコツ

トレーニング

ロードバイクを愛する多くのサイクリストにとって「もっと速く走りたい」という願望は尽きないものです。特に、平地での巡航速度を上げることは、多くのライダーの目標ではないでしょうか。初心者の方は20km/h前後、中級者は25〜30km/h、そして上級者になると30km/h以上の速度で巡航できるようになります。

今回は、ロードバイクの巡航速度を効率的にアップさせるための具体的な方法として、ポジショニング、ペダリングテクニック、トレーニング方法、そして機材選びまで徹底解説します。速く走るための身体作りや、効率的なエネルギーの使い方を理解することで、同じ力でも速く、長く走れるようになるでしょう。

最初に理解しておきたいのは、ロードバイクで速く走るためには「力任せに漕ぐ」ことが必ずしも正解ではないということです。特に平地での巡航においては、空気抵抗を減らす効率的なフォームと、持続可能なペダリングが重要になります。

それでは早速、巡航速度アップのための具体的なテクニックとトレーニング方法を見ていきましょう。

ロードバイクの巡航速度を30km/h以上に上げるために必要な基本ポジションとは?

巡航速度を上げるための第一歩は、正しいバイクポジションの確立です。適切なポジションは、パワーを最大限に引き出すだけでなく、長時間の巡航時の疲労を軽減する効果もあります。

バイクの中心に乗る

巡航速度を上げるための重要なポイントは、バイクの中心に乗ることです。バイクの中心とは、サドルにどっかりと腰を落として後ろ荷重になる状態でもなく、ハンドルに寄りかかって前荷重になる状態でもありません。

元プロロード選手で現在はインストラクターの相川将さんは「バイクの中心に乗ることができると、自然とペダルに体重が乗せられ、楽に大きな力を出すことができます」と説明しています。

バイクの中心に乗るための練習方法としては:

  1. バイクが惰性で進んでいる状態で、手脚を伸ばしてクランクを水平にして立ち上がる
  2. サドル側に体を移動させ、後ろ脚への荷重を感じる(サドル荷重状態)
  3. 体を前に移動させ、ハンドルに体重を預け、前脚への荷重が減ることを感じる
  4. これらの中間となる、前脚のペダルに体重が掛かる位置を見つける
  5. その位置からまっすぐ下に腰を降ろす

このポジションを、ライド開始から10〜15分後や、休憩後のスタート時、または感覚が失われてきたと感じたときに確認すると良いでしょう。

サドルとハンドルの位置関係

巡航速度アップのためには、ハンドルの高さを下げることで前傾姿勢を深くし、空気抵抗を減らすことが効果的です。プロのロードレーサーのバイクを見ると、サドルとハンドルの落差が一般サイクリストよりも大きいことに気づくでしょう。

ただし、単に落差をつければいいわけではなく、体幹と股関節の筋力、柔軟性に応じた適切な落差を見つけることが重要です。無理な姿勢は逆効果となり、パフォーマンスの低下や怪我のリスクを高めます。

股関節から体を倒す

前傾姿勢を取る際に多くの人が陥りがちなのは、背中を丸めることです。しかし、これは腰や首に負担をかけてしまいます。代わりに、股関節から体を倒すことを意識しましょう。

股関節の周りの筋肉を使って前傾することで、腰や首への負担を減らせるだけでなく、重心がペダルの上に近づくため、より効率的にパワーを伝えることができます。これにより、脚の筋肉への負担も減り、長時間の巡航が可能になります。

サドルの前後調整

体を股関節から倒すと、時に重心が前に行き過ぎてハンドルに体重が乗りすぎることがあります。これを防ぐために、サドルを少し後ろに引くことで重心を調整できます。

ただし、一気に後退させるとハンドルが遠くなり過ぎて首や肩に負担がかかるため、少しずつ調整して最適なポジションを見つけましょう。

効率的なペダリングで巡航速度を上げるための具体的なトレーニング方法は?

速く走るためには、力強いペダリングだけでなく、効率的なペダリングテクニックが不可欠です。特に巡航時には、持続可能な力の入れ方とリズムが重要です。

適切なケイデンスの維持

巡航速度を上げるためには、適切なケイデンスを保つことが重要です。一般的には、80〜90回転/分が理想的とされています。

「90回転をキープ」という言葉にとらわれ過ぎると、ペダリング動作が崩れて疲れやすくなることがあります。プロサイクリストであれば90回転以上をキープできますが、一般のサイクリストにとっては高すぎることが多いでしょう。80回転台を意識することで、腰が跳ねるなどの動きの崩れを防ぎ、効率良く走れます。

一方で、70回転以下の低いケイデンスでは筋肉に負担がかかり、疲れやすくなるため注意が必要です。

効率的なペダリングポイント

効率良く巡航するためには、推進力に変わりやすいポイントで踏むことが大切です。具体的には、クランクが0時(最も高い位置)から3時の位置までの間で強く踏み、それ以降は力を入れすぎないようにします。

4時過ぎから6時の位置で力を入れすぎたり、6時の位置で真下に踏み抜くようなペダリングは、推進力に変わりにくく疲れの原因となります。

リズムを取るテクニック

効率的なペダリングを身につけるための簡単な方法として、頭の中でリズムを取る技術があります。具体的には、左右の足の膝が最も高く上がったタイミング(ポイント)で「イチ、ニ、イチ、ニ」とリズムを取ります。

これにより自然とクランクが高い位置から踏み始める動きにつながります。逆に、ペダルが真下(6時の位置)に来たときにリズムを取ると、3時以降も力を入れすぎてしまいがちなので注意しましょう。

インターバルトレーニング

巡航速度を上げるための効果的なトレーニングとして、インターバルトレーニングがあります。これは高強度のエクササイズを短時間行い、その後に低強度の回復期間を設けることを繰り返すトレーニング方法です。

例えば、全力で1分半〜2分間ペダルを回した後、5分間の軽いペダリングで回復するといったセットを数回繰り返します。このトレーニングにより、心肺機能が向上し、高い巡航速度を維持するために必要なスタミナとスピードを同時に向上させることができます。

空気抵抗を減らして巡航速度を上げるためのテクニックとエアロフォームの作り方とは?

巡航速度30km/h以上になると、進行方向に対する力の約80%が空気抵抗となります。この空気抵抗を減らすことができれば、同じパワー出力でもより速く走ることが可能になります。

持続可能なエアロポジション

プロ選手のような深い前傾姿勢を無理に真似する必要はありません。重要なのは、自分なりに維持できる範囲内でエアロフォームを取ることです。無理な姿勢は長続きせず、かえって走りを崩してしまいます。

肘を曲げ、肩を落とす基本的なフォームで、肩1つ分、頭1つ分を下げることを目安にすると良いでしょう。その際、頭は下げすぎず、目線はしっかり前方を見ることで安全性を確保します。

肘の位置に注意

エアロポジションを取る際に見落としがちなのが、肘の位置です。正面から見たとき、肘が外側に張り出さないよう意識しましょう。肘が外に出ると風を受ける面積が増え、空気抵抗が大きくなります。また、ハンドルにしがみつくようなフォームになりがちで、操作性も低下するため避けるべきです。

ドロップハンドルの活用

巡航速度を上げるための簡単な方法として、ドロップハンドルを持つことが挙げられます。これだけで空気抵抗を約15%下げることができると言われています。

特に速度を上げたい場面では、ドロップハンドルを使うようにしましょう。慣れていない方は、「ドロップハンドル縛り」として、ライド中常にドロップハンドルを持つ練習を取り入れると良いでしょう。これにより、エアロ姿勢が苦にならなくなり、筋持久力も強化されます。

ウェアの選択

空気抵抗を減らすためには、サイクリングウェアの選択も重要です。伝統的にはタイトなジャージやビブショーツが使われてきましたが、近年ではさらに空気抵抗を減らすエアロタイプのジャージも登場しています。

また、意外と見落とされがちなのが足の毛です。サイクリストの身だしなみでもある足の毛剃りは、見た目だけでなく空気抵抗を減らす効果もあります。

巡航速度アップに直結する筋トレとトレーニングメニューはどのようなものか?

巡航速度を上げるためには、適切な筋力トレーニングと専門的なトレーニングメニューが欠かせません。特に持久力と安定したフォームを維持するための筋力が重要です。

重要な筋肉群とトレーニング

巡航速度向上のためには、体幹(コア)と股関節周りの筋肉を強化することが特に重要です。これらの筋肉群は、安定したエアロポジションの維持と効率的なペダリングの両方に関わっています。

おすすめのトレーニングとしては:

  1. ヒップヒンジ:前傾姿勢を取っている時の股関節と背中の感覚を掴むのに有効
  2. ヒッププランク:体幹と股関節の安定性の両方を鍛える
  3. スクワット:大腿四頭筋やハムストリング、大臀筋を鍛え、ペダリングのパワーを向上
  4. ランジ:片足ずつの筋力とバランス感覚を鍛える
  5. プランク:体幹の持久力を高める

これらのトレーニングを週に2〜3回行うことで、筋持久力が向上し、長時間のエアロポジション維持とパワフルなペダリングが可能になります。

持久力を高めるトレーニング

筋力だけでなく、持久力を高めるトレーニングも巡航速度アップには欠かせません。

  1. ロングライド:ゆっくりとしたペースで長時間走ることで、持久力の基礎を作ります。初めは2時間程度から始め、徐々に距離を伸ばしていきましょう。
  2. テンポライド:やや高めの強度(最大心拍数の70〜80%程度)で一定のペースを保つライドです。20〜30分間このペースを維持することで、乳酸閾値(持続可能な最大強度)を高めることができます。
  3. SST(スイートスポットトレーニング):FTP(機能的作業閾値)の88〜94%の強度で行うトレーニングで、効率よく持久力を高めることができます。平坦な道でこのトレーニングを繰り返すことで、徐々に高い速度での巡航が楽になります。

高速巡航に慣れるトレーニング

速く走るためには、速いスピードに体を慣れさせることも重要です。自分より速い人の後ろにつく「ドラフティング」の練習は、空気抵抗が少ない状態で高速走行の感覚を体に覚えさせる効果があります。

速い人の後ろについて練習すると、「速く走るってこんな感じか!」というイメージがつき、一人で走る時もそのイメージが残って速く走れるようになります。

ロードバイクの巡航速度を上げるために機材選びやセッティングで重視すべきポイントは?

機材のグレードアップは、即座に速度向上につながる手段の一つです。ただし、適切な選択をしないと費用対効果が低くなる可能性もあるため、優先順位を考えて投資することが大切です。

ホイールの選択

巡航速度を上げるためにまず検討すべきは、ホイールのアップグレードです。特にディープリムホイールは、空気抵抗が少なくなるだけでなく、構造上ホイールの回転を維持しやすいため、高速巡航に適しています。

平地巡航に特化するなら、リムハイトが60〜80mm以上のディープリムホイールがおすすめです。ただし、横風に弱くなる点や重量が増える点にも注意が必要です。

タイヤの選択と空気圧

ホイールと同様に重要なのが、タイヤの選択と適切な空気圧です。転がり抵抗の少ない高性能タイヤに交換するだけでも、巡航速度は明らかに向上します。

また、適切な空気圧を保つことも重要です。高すぎる空気圧は路面からの振動を拾いやすく疲労の原因になり、低すぎると転がり抵抗が増加します。自分の体重やタイヤの幅に合った最適な空気圧を見つけましょう。

エアロフレームとコンポーネント

さらに速度を求めるなら、エアロロードフレームへの投資も選択肢の一つです。近年のエアロロードは、ダウンチューブやシートチューブなどのパーツを扁平化して空気抵抗を削減しています。

ディープリムホイールとの組み合わせは非常に効果的ですが、カーボンフレームに限られるため選択肢が少なく、コストも高くなります。

エアロハンドルとアクセサリー

細部にこだわるなら、エアロハンドルの採用も効果的です。トップ部分を上から押しつぶした形状によって、エアロ効果を高めているものが多く、数ワット程度の変化でも実感できる差が生まれます。

また、シューズカバーなどの小物アイテムも、少しずつ空気抵抗を減らす効果があります。これらは比較的低コストで導入できるため、コストパフォーマンスが高いアップグレードと言えます。

バイオメカニクスに合わせたセッティング

最後に重要なのが、自分の身体に合わせたセッティングです。どんなに高性能な機材でも、体に合っていなければその性能を十分に発揮できません。

プロフェッショナルなバイクフィッティングを受けることで、自分の体型や柔軟性、筋力に合わせた最適なセッティングを見つけることができます。これにより、長時間の巡航でも疲労を最小限に抑え、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。

まとめ

ロードバイクの巡航速度を上げるためには、正しいポジショニング、効率的なペダリングテクニック、エアロフォームの習得、適切な筋力トレーニング、そして機材の選択が総合的に重要です。

特に重要なのは、「頑張って漕ぐ」ことだけが速く走ることではないという点です。効率良く空気抵抗を減らし、無駄なく力を伝えることで、同じ労力でもより速く、より長く走ることができます。

ポジションの調整や筋力トレーニングは比較的低コストですぐに始められます。一方、機材のアップグレードは即効性がありますが、コストがかかるため優先順位を考えて投資しましょう。

どのアプローチを取るにしても、一朝一夕で巡航速度が大幅に向上するわけではありません。正しい方法で継続的にトレーニングを積み重ねることが、真の速さを手に入れる近道です。

あなたもこの記事で紹介した方法を実践して、一歩一歩巡航速度を向上させていきましょう。30km/h以上で風を切る爽快感を味わえる日は、そう遠くないはずです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました