ロードバイクのロングライドに必要な持ち物は、ヘルメット、前後ライト、サイクルボトル、鍵、サングラス、グローブ、ベル、パンク修理キット、補給食、サドルバッグが必需品となります。これらの装備を揃えることで、100km以上の長距離サイクリングを安全かつ快適に楽しむことができます。さらに軽量化を意識した装備選びをすることで、体への負担を軽減し、より快適なロングライドを実現できます。
ロードバイクでのロングライドは、美しい景色を楽しみながら自分の限界に挑戦できる魅力的なアクティビティです。しかし、準備不足で出発すると途中でトラブルに見舞われたり、体力が持たなくなったりする危険があります。この記事では、ロングライドに必要な持ち物を必需品から便利アイテムまで網羅的に解説し、さらに快適に走るための軽量化のコツについても詳しく紹介します。初心者から経験者まで、すべてのサイクリストに役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

ロードバイクのロングライドとは
ロードバイクでのロングライドとは、一般的に100km以上の距離を走る本格的なサイクリングのことを指します。すべての荷物を自分で携行して走ることになるため、できるだけ余分な物は持たず、コンパクトにまとめることが重要です。
ロングライドの経験が増えれば、何が必要かどうかを判断できるようになり、荷物の量は少なくて済むようになります。最初のうちは「念のため」と多くの荷物を持っていきがちですが、経験を重ねるうちに本当に必要なものだけを厳選できるようになるでしょう。事前に走行ルートをよく調べておき、途中にコンビニやスーパーなどがあるか確認しておくことも大切です。補給ポイントがあれば、持っていく補給食の量を減らすことができます。
ロングライドの必需品7選
ロングライドにおいて絶対に必要な必需品は7つあります。これらは安全に走行するための基本装備であり、どれも欠かすことができません。
ヘルメットの選び方と重要性
ヘルメットは、ロードバイクでのロングライドにおいて最も重要な安全装備です。ロードバイクはスピードが出るため、転倒時の衝撃対策として着用が必須となります。日本の安全基準である「JCF公認」を取得しているものを選ぶことをおすすめします。近年は脳震盪リスク軽減技術であるMIPS搭載モデルが人気を集めています。
ヘルメットの選び方のポイントは、フィット感と通気性の2点です。長時間のライドでは頭が蒸れやすいため、通気孔が多いモデルを選ぶと快適に走行できます。また、エントリーモデルとトップモデルでは100gくらいの重量差があるため、軽量化を意識するならトップモデルへの投資も検討する価値があります。
ライト(前後)の必要性
日が暮れる前に帰ってくるつもりでも、何があるかわからないのがロングライドです。トンネルを通ることもあるため、前後のライトは必須アイテムとなります。夜間やトンネル内では灯火が法律で義務となっていますので、必ず携帯してください。
安全確保のため、昼間でも点灯する「デイライト」の使用もおすすめです。特にトンネル内では車からの視認性を高めるために、明るいライトを選びましょう。フロントライトは200ルーメン以上、リアライトは赤色で点滅機能があるものが推奨されます。USB充電式のものを選べば、長距離ライドでもモバイルバッテリーから充電できて安心です。
サイクルボトルとボトルケージ
走行中の水分補給はとても大切であり、こまめにちょっとずつ補給するのが効率よく体内に吸収するコツです。サイクルボトルは片手で走行中でも水分補給が可能なため、安全に給水できます。価格は1,000円から3,000円程度で購入可能です。
季節にもよりますが、ボトルは2本あると尚良いでしょう。1本目はスポーツドリンクなど吸収効率が良いものを入れ、2本目はミネラルウォーターを入れておくと便利です。怪我した際に洗い流したり、ハンカチなどを濡らして使ったりすることもできます。夏場は特に水分補給が重要で、5分から10分程度に一口飲むことを心がけましょう。脱水症状になると、判断力の低下や熱中症のリスクが高まります。
鍵(ロック)の携帯
ロードバイクは盗難リスクが高いため、必ず鍵を携帯しましょう。コンビニでの補給時やトイレ休憩時など、短時間でもバイクから離れる際には必ず施錠が必要です。軽さだけでなく、防犯性と携帯性のバランスが重要となります。
ワイヤーロックは軽量ですが切断されやすく、U字ロックは頑丈ですが重いという特徴があります。ロングライドでは、軽量なワイヤーロックやチェーンロックがおすすめです。短時間の休憩であれば、軽量なワイヤーロックで十分な抑止力となります。
サングラスによる目の保護
サングラスは、風、ホコリ、虫、紫外線、飛び石から目を守るアイテムです。特にスピードが出るロードバイクでは、視界確保と目の保護のために必須級のアイテムとなります。サングラスの選び方は、レンズの色と調光機能がポイントです。
曇りの日や夕方でも使えるように、調光レンズや交換レンズ付きのモデルが便利です。また、フレームのフィット感も重要で、ずれにくいスポーツ用のものを選びましょう。長時間のライドでもずれにくく、快適な視界を確保できるモデルを選ぶことが大切です。
グローブの役割
長時間のライドでは手に振動が蓄積します。グローブは疲労軽減と転倒時のケガ防止に役立つ重要アイテムです。夏用の指切りグローブと、春秋用のフルフィンガーグローブがありますので、季節に合わせて使い分けましょう。
パッド入りのグローブを選ぶと、手のひらへの振動を吸収してくれます。また、スマートフォン対応のグローブなら、グローブをしたままナビ操作ができて便利です。長距離ライドでは手の疲労が蓄積しやすいため、適切なグローブを選ぶことが快適なライドにつながります。
ベルの装着義務
ベルは法律で装着を義務づけられているアイテムです。ロングライドやグルメライドイベントでは、参加条件にベルの装着が入っているケースが多いため、必ず装着しておきましょう。軽量でコンパクトなベルが多数販売されており、ハンドルバーに取り付けるタイプでデザイン性の高いものも増えています。
パンク修理・メンテナンス用品
ロングライドで最もよく遭遇するトラブルはパンクです。パンク修理ができないと、何十kmも歩いて帰ることになりかねません。以下のアイテムは必ず携帯しましょう。
携帯ポンプの種類と選び方
携帯ポンプには、コンパクトなもの、空気を入れやすいある程度の大きさのもの、ボンベ式のものなど様々な種類があります。価格は5,000円前後が目安です。フレームに取り付けられるタイプと、サドルバッグに収納するタイプがあります。
CO2ボンベ式は素早く空気を入れられますが、使い切りのため予備が必要です。手動ポンプは時間がかかりますが、何度でも使えるメリットがあります。おすすめは、CO2インフレーターと小型ハンドポンプの両方を携帯する方法です。通常はCO2ボンベで素早く修理し、予備としてハンドポンプを持っておくと安心です。
替えチューブとタイヤレバー
替えチューブは最低1本、できれば2本携帯することをおすすめします。1回のライドで2回パンクすることも珍しくありません。自分のタイヤサイズに合ったチューブを選びましょう。700×23〜28cに対応したチューブが一般的です。また、バルブの長さも確認が必要で、リムハイトが高いホイールを使っている場合は、長めのバルブを選びましょう。
タイヤレバーは、チューブ交換時にタイヤをリムから外すために必要です。プラスチック製の軽量なものが主流で、3本セットで販売されていることが多いです。金属製のタイヤレバーはリムを傷つける可能性があるため、プラスチック製がおすすめです。チェーンに引っ掛けられるフック付きのものもあり、作業がしやすくなります。
携帯工具とその他の修理用品
携帯工具は、走行中にサドルの高さを変えたり、クリートの位置を調整したり、振動で緩んだボルトを締め直すのに使えます。マルチツールタイプが便利で、六角レンチ、プラスドライバー、マイナスドライバー、チェーンカッターなどが一体になったものがあります。重さは100g前後のものが多く、サドルバッグに入れておきましょう。
タイヤブートは、タイヤに穴が開いてしまった場合の応急処置用です。タイヤの内側から貼り付けて、チューブが飛び出すのを防ぎます。お札で代用することもできますが、専用品のほうが安心です。パッチキットは、チューブに小さな穴が開いた場合に修理できます。替えチューブがなくなった場合の最終手段としても有効で、ゴムのり式とシール式がありますが、シール式のほうが手軽に使えます。
バッグ類の選び方
ロングライドでは、持ち物を自分の身につけるのではなく、「持ち物はバイクに持たせる」ようにすることが大切です。リュックやジャージの背中ポケットに荷物を入れすぎると、肩に負担がかかり痛くなってしまいます。
サドルバッグの容量と選び方
ロックや工具類を収納するためのサドルバッグは、ロングライドの必需品のひとつです。名前の通りサドルの裏面に取り付けることができます。価格は3,000円から5,000円前後です。容量は1リットル以下の小型から、10リットル以上の大型まで様々あります。
日帰りロングライドなら2〜3リットル程度の中型サイズがおすすめです。防水性能があるものを選ぶと、急な雨でも中身を守れます。ORTLIEB(オルトリーブ)のサドルバッグのLサイズは、国内のブルベでは定番の装備です。容量は2.7リットルあり、200kmを超えるブルベのような長距離サイクリングで真価を発揮します。
トップチューブバッグとフレームバッグ
トップチューブバッグは、トップチューブの上に取り付けるバッグで、補給食やスマートフォンを入れるのに便利です。走りながらでも中身を取り出しやすいのがメリットです。スマートフォンの画面が見える透明窓付きのタイプなら、ナビとして使うことができます。ただし、ペダリング時に膝が当たらないサイズを選ぶ必要があります。
フレームバッグは、フレームの三角形部分に取り付けるバッグです。大きめの荷物を収納でき、重心が低いため走行安定性に優れています。ボトルケージとの干渉に注意が必要です。フレームサイズによっては取り付けられない場合もあるため、購入前に確認しましょう。
バックパックの使い方
日帰りロングライドからホテル泊のチャリ旅まで対応するには、リュックサックも選択肢のひとつです。フルシーズンで使うなら、ドイター、オルトリーブ、オストリッチ、エルゴンなどのアウトドアブランドのものが人気です。
ただし、背中に背負うタイプは蒸れやすく、肩への負担もあるため、ロングライドではできるだけ使わないほうが快適です。どうしても使う場合は、背面にメッシュパネルがあるものを選び、荷物は軽めにしましょう。基本的には、バイクに取り付けるバッグを優先して使用することをおすすめします。
補給食の選び方と摂取タイミング
補給食は、ロングライドを完走するために欠かせない重要アイテムです。適切なタイミングで適切な量を摂取することで、最後まで快適に走り続けることができます。
補給食が必要な理由
100kmを4時間で走ると約2,000kcalを消費します。これは成人男性の1日の摂取カロリー以上に相当する量です。何も食べずに走り続けていると、急に体が動かなくなる「ハンガーノック」という状態に陥ってしまうことがあります。
ハンガーノックになると、頭がぼーっとして集中できなくなったり、気分が悪くなったりします。最悪の場合、意識が朦朧として危険な状態になることもあります。そのため、適切な補給は安全なライドに欠かせません。お腹が空いてから食べるのでは遅いです。空腹を感じる前に、計画的に補給することが重要です。
補給のタイミングと量
100kmの長い距離を走るときには、1時間ごとに100〜200kcalくらいを目安に、こまめに補給することが大切です。おにぎりなら1個(約180kcal)、ようかんなら1本(約110kcal)を目安に調整しましょう。水分は5〜10分程度に一口、補給食は1時間程度に1回とるとよいでしょう。
ボトルは2本(水とスポーツドリンク)を用意するのがおすすめです。特に登り坂の前には、エネルギーを蓄えておきましょう。登り始めてから補給しても、エネルギーに変換されるまで時間がかかるため、事前の補給が重要です。
おすすめの補給食
補給食にはすぐにエネルギーになる甘いものがおすすめです。コンビニで手に入る羊羹、まんじゅう、お団子、アンパンなどは胃腸に負担なく食べられます。羊羹は脂質がなく、安くて携帯性にも優れています。井村屋のスポーツようかんは、片手で押し出して食べられるため、サイクリストに人気があります。
ジャージのバックポケットに入れるおすすめとしては、スニッカーズはカロリーが高くチョコレートの甘さが疲れた体に効きます。アミノバイタル粉末は水に溶かして飲むタイプで、アミノ酸を素早く補給できます。ジェル系補給食は素早くエネルギーを補給でき、マグネシウムなどのミネラルも配合されており、足の痙攣やつり症状の予防効果が期待できます。塩分チャージは夏場の塩分補給に最適で、梅干し純は塩分とクエン酸を補給できます。inゼリーなどの定番ジェル補給食は、素早くエネルギーを補給できるため、ライド中の補給に最適です。
コンビニの活用方法
ロングライドでは、途中のコンビニを補給ポイントとして活用しましょう。コンビニなら、おにぎり、パン、バナナ、ゼリー飲料など、様々な補給食を購入できます。ただし、スマホ決済に対応していないお店もあるため、小銭も用意しておくとよいでしょう。また、クレジットカードが使えない場合に備えて、現金は最低3,000円程度は持っておくことをおすすめします。
その他の便利アイテム
必需品以外にも、ロングライドをより快適にする便利アイテムがあります。状況に応じて携帯することで、より安全で快適なライドを楽しめます。
日焼け止め
ロングライドは長時間外で走るため、天候によっては常に日光を浴びながら走ることになります。日光によって肌が焼けると疲労が増しやすく、肌の健康にも悪影響を与えます。夏のロングライドでは必須アイテムです。スポーツ用の汗に強いタイプを選び、2〜3時間おきに塗り直すことをおすすめします。特に腕、首の後ろ、足は焼けやすいので念入りに塗りましょう。
輪行袋
輪行の予定がなくても、帰りに急に輪行して帰る際などに重宝します。体力が限界に達した場合や、天候が急変した場合、機材トラブルで走行不能になった場合など、緊急時の脱出手段として持っておくと安心です。軽量な輪行袋は300g程度のものもあり、サドルバッグに入れておけます。ただし、輪行の経験がない場合は、事前に練習しておくことをおすすめします。
モバイルバッテリー
スマートフォンをナビとして使う場合、バッテリーの消耗が激しくなります。また、サイクルコンピューターやライトの充電にも使えるため、モバイルバッテリーは必携アイテムです。10,000mAh程度の容量があれば、1日のライドには十分です。軽量なタイプを選び、トップチューブバッグやサドルバッグに入れておきましょう。
サイクルコンピューター
速度、距離、ケイデンス、心拍数などを計測できるサイクルコンピューターは、ペース配分に役立ちます。GPS機能付きのモデルなら、ナビゲーションやルート記録も可能です。スマートフォンのアプリでも代用できますが、専用機のほうがバッテリーの持ちがよく、視認性にも優れています。
IDカード・緊急連絡先
万が一の事故に備えて、身分証明書と緊急連絡先を携帯しておきましょう。サイクリスト用の緊急時IDカードも販売されています。保険証のコピーやアレルギー情報なども一緒に持っておくと、万が一の際に役立ちます。
持ち物の軽量化テクニック
ロングライドの持ち物は、使うかどうかわからないものは持っていくのをやめ、できるだけ軽量化した装備であれば、快適なロングライドを楽しむことができます。高価な軽量ロードバイクを選ぶよりも、荷物の選定に力を入れたほうが費用対効果は高いです。
軽量化の基本的な考え方
「軽量性」はバイクが軽量化され、特にヒルクライムでアドバンテージが得られます。「コンパクト」な装備を選べば、必要最低限の容量・数量のバッグでライドに行け、結果として軽量化されます。何度かロングライドを繰り返し経験していくうちに、「バッグはもっと軽量なタイプを買おう、鍵も携帯性を重視したものにしよう」など、自分なりに取捨選択できるようになっていきます。
持ち物の軽量化ポイント
持ち物の軽量化で効果的なポイントがいくつかあります。鍵については、重いU字ロックから軽量なワイヤーロックに変更することで大幅な軽量化が可能です。工具については、必要最低限の機能に絞ったマルチツールを選択することが重要です。ポンプについては、CO2ボンベ式は軽量でコンパクトです。チューブについては、軽量チューブを使用することで数十グラムの軽量化ができます。バッグについては、軽量素材のものを選択することで装備全体の重量を抑えられます。
ウェアの軽量化
ヘルメットやシューズなどのウェアの軽量化もおすすめです。ヘルメットはエントリーモデルとトップモデルで100gくらい違います。常に身につけている分、少し軽くなるだけでも体感で軽く感じられ、ロングライドでは疲労も大きく軽減されます。シューズも同様で、軽量モデルを選ぶことで足の疲労を軽減できます。ただし、軽量化と引き換えに耐久性が犠牲になることもあるため、バランスを考えて選びましょう。
バイクパーツの軽量化
タイヤも意外と重さが違います。完成車のタイヤは耐久性重視の1本300g程度のものがついています。レース用のタイヤなら1本5,000〜8,000円で重さ200gちょっとなので、前後合わせれば150〜200gほど軽くできます。タイヤは外周部にあるため、軽量化の効果が大きいパーツです。回転する部分が軽くなると、加速性能が向上し、ヒルクライムも楽になります。
完成車のシートポストはアルミ製が多く300〜400gくらいですが、カーボン製のシートポストにすれば200g前後になり、一気に100〜200gの軽量化が可能です。価格の目安は10,000〜15,000円くらいです。ホイールの軽量化も効果的ですが、価格が高いため、まずはタイヤやチューブから始めるのがコスパの良い軽量化です。
軽量化の優先順位
コストパフォーマンスを考えた軽量化の優先順位について説明します。
| 優先順位 | パーツ | 軽量化効果 | 価格帯 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | タイヤ・チューブ | 150〜200g | 5,000〜8,000円/本 | 回転部分のため効果大 |
| 2位 | サドル | 50〜100g | 5,000〜15,000円 | カーボンレールのものに交換 |
| 3位 | シートポスト | 100〜200g | 10,000〜15,000円 | カーボン製に交換 |
| 4位 | ハンドル・ステム | 50〜100g | 10,000〜20,000円 | カーボン製に交換 |
| 5位 | ホイール | 200〜500g | 50,000円〜 | 効果は大きいが高価 |
季節別の持ち物と対策
季節によって必要な持ち物は変わります。気温や天候の変化に対応できる装備を準備することで、年間を通じてロングライドを楽しめます。
春・秋のロングライド
気温が変わりやすい季節は、脱ぎ着できるウェアが重要です。ウインドブレーカーやアームウォーマー、レッグウォーマーを持っていくと、気温変化に対応できます。朝晩は冷え込むことがあるため、フルフィンガーグローブも用意しておきましょう。また、突然の雨に備えて、レインウェアがあると安心です。
夏のロングライド
夏は熱中症対策が最重要です。水分と塩分をこまめに補給し、直射日光を避けるために、通気性の良いヘルメットと吸汗速乾のウェアを選びましょう。日焼け止め、サングラス、キャップ(ヘルメットの下に被るもの)は必須です。また、首に巻く冷感タオルなども効果的です。ボトルは2本必須で、凍らせたボトルを持っていくと、長時間冷たい飲み物が飲めます。
冬のロングライド
冬は防寒対策が重要です。ウインターグローブ、シューズカバー、イヤーウォーマーなど、末端を温めるアイテムを用意しましょう。重ね着で調整できるようにし、汗冷えを防ぐためにベースレイヤーは吸汗速乾素材のものを選びましょう。また、日が短いため、ライトは必ず持参してください。
初心者が陥りがちな失敗と対策
ロングライド初心者がよく経験する失敗パターンとその対策を紹介します。これらを事前に知っておくことで、同じ失敗を避けることができます。
ペース配分の失敗
最も多い失敗が、スタート直後から飛ばしすぎてしまうことです。体力に余裕がある序盤は、ついついペースを上げてしまいがちですが、後半には完全にバテてしまい、目標を達成できなくなります。対策としては、「後半に余力を残す」ことを意識しましょう。ロングライドでは「一定ペースを保つこと」が重要です。
一定ペースとは「スピードを一定に保つこと」ではなく、「運動強度(体への負荷)を一定に保つこと」と考えましょう。心拍計やパワーメーターがあれば、客観的に運動強度を把握できます。序盤は物足りないと感じるくらいのペースで走り、終盤に余力が残っていたらペースを上げるという走り方が理想的です。
ギアチェンジの少なさ
ロングライドで苦しんでいる人のほとんどが、変速回数が極端に少ない傾向にあります。体力のある序盤は筋力で踏み切れますが、疲れが蓄積されるライド後半になると、なんてことない坂道も上れなくなってしまいます。対策は、こまめにギアチェンジをすることです。勾配が変化し始める前にギアを変えておく習慣を身につけましょう。
ケイデンス(ペダル回転数)は平地で80〜90回転/分を維持することを目指します。重いギアでグイグイ踏んでいると筋肉が疲労して動けなくなりますが、やや軽めのギアでクルクル回すようにすると、息は上がりますが少し休めば回復できます。
メンテナンス不足
出発前のバイクチェックを怠ると、ライド中にトラブルが発生しやすくなります。特にタイヤの空気圧やチェーンの状態を確認せずにライドに出てしまうと、後半になるとペダルが重く感じるようになります。対策は、出発前に必ずバイクの点検を行うことです。経験が浅く自身でのチェックが難しいうちは、ショップに持ち込んでチェックしてもらうのがおすすめです。
休憩の取り方の失敗
初心者は「休憩すると脚が止まって再出発がつらくなる」と考えて休憩を少なくしがちですが、これは逆効果です。適切な休憩を取らないと、疲労が蓄積して結果的にペースが落ちてしまいます。ロードバイクの乗車姿勢に慣れていない初心者は、体力的には余裕があっても、お尻が痛くなったり、不慣れからくる疲労が溜まったりと、いろいろな問題が起きやすいです。対策は、5〜10kmおきに降車して休憩を取ることです。写真を撮ったり、景色を楽しんだりしながら、こまめに休憩しましょう。
200km以上のロングライドとブルベ装備
より長い距離に挑戦したい方のために、200km以上のロングライドやブルベの装備について解説します。
ブルベとは
ブルベとは、決められたコースを制限時間内に自力で走り切る長距離サイクリングイベントのことです。200km、300km、400km、600kmなどの距離があり、認定されると完走証がもらえます。レースではなく、自分のペースで走ることが特徴です。
ブルベの必須装備
ブルベには主催団体が定めるルールがあり、いくつかの装備が必須となっています。フロントライトについては、200kmでは1灯以上必要で、光色は白色のものが求められます。明るさは300ルーメン以上、ランタイムは5時間以上のライトがおすすめです。400km以上の距離では2灯が義務付けられていますが、団体によっては200kmからでも2灯をローカルルールとして採用していることがあります。
リアライトについては、光色が赤色で常時点灯できるものが必要です。車体に固定する必要があり、サドルバッグへの固定は認められません。反射ベストについては、日中も含め走行中は必ず一番外側に着用が必要です。自転車用・ブルベ用としてバックポケットにアクセスしやすい製品も販売されています。
200kmブルベの持ち物
ブルベで持つ荷物の中で最も多いのは、機材トラブルに対処するための荷物です。「パンク」「ネジの緩み」「チェーンオイル切れ」への対処装備は必須です。具体的な持ち物としては、フロントライト2つ(メイン1灯、サブ1灯)、リアライト2つ、ヘルメットライト、反射ベスト、替えチューブ2本、携帯ポンプまたはCO2ボンベ、タイヤレバー、携帯工具、チェーンオイル(小分けにしたもの)、輪行セット(リタイア時の脱出用)などがあります。
荷物の収納方法としては、サドルバッグ、フレームバッグ、ツールケースの中に装備を詰め込み、すぐに使うものや補給食、スマートフォンはサイクルジャージの背中ポケットに入れる方法が一般的です。
ブルベ向きのバイク
ブルベやロングライドに最適なのは、エンデュランスジオメトリーを採用したバイクです。サドルからハンドルまでの位置が近く、ハンドル自体も高い位置にあるため、アップライトな姿勢で楽しむことができます。また、油圧ディスクブレーキはブルベでは乗り手の疲労を和らげる上で最適な仕様です。握力に大きく依存することなく、レバーを深く引くだけで強い制動力が得られるため、長時間ライドにおいて腕や肩回りの疲労蓄積を抑えることができます。
ロングライド前の準備
ロングライドを成功させるためには、事前の準備が重要です。バイクの点検からルート計画まで、しっかりと準備しておきましょう。
バイクの点検項目
ロングライドに出発する前に、バイクの点検を行いましょう。タイヤの空気圧は適正圧に調整し、タイヤの状態については傷や摩耗がないか確認します。ブレーキは効きが十分か確認し、変速機はスムーズに変速するか確認します。ボルト類は緩みがないか確認し、チェーンは汚れていれば清掃・注油しましょう。特にタイヤは、ガラス片や小石が刺さっていないか確認しましょう。出発前に発見できれば、ライド中のパンクを防げます。
ルート計画
走行ルートは事前に計画し、総距離と獲得標高、補給ポイント(コンビニ、自販機など)の位置、トイレの位置、緊急時の離脱ルート、輪行可能な駅などを確認しておきましょう。ルートはGPSサイクルコンピューターやスマートフォンに入れておき、道に迷わないようにしましょう。
天気予報の確認
出発前に天気予報を確認し、雨や強風が予想される場合は、予定を変更することも検討しましょう。特に山岳ルートでは、天候が急変することがあるため注意が必要です。
安全に走るための心構え
ロングライドを楽しむためには、安全に対する意識が最も重要です。フィジカルの100%を超えない範囲で、装備や準備を周到に用意して、快適にライドすることを忘れてはなりません。安全第一で走り切り、無事に帰宅するまでがロングライドです。
交通ルールの遵守
ロードバイクも車両です。交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。左側通行を守り、信号を守り、一時停止を守り、並走せず、夜間はライトを点灯し、ヘッドホンやイヤホンをしないようにしましょう。最初は川沿いのサイクリングロードをルートに組み込むと安全です。とにかく安全にロングライドを楽しむためにも、交通量が少ない道をできるだけ選びましょう。
保険への加入
自転車保険への加入を強くおすすめします。多くの都道府県で自転車保険への加入が義務化されています。万が一の事故に備えて、対人・対物の補償がある保険に加入しておきましょう。クレジットカードに付帯している保険や、自動車保険の特約で加入できる場合もあります。
まとめ
ロードバイクでのロングライドに必要な持ち物は、ヘルメット、ライト(前後)、サイクルボトルとボトルケージ、鍵、サングラス、グローブ、ベルの7つが必須アイテムです。これに加えて、携帯ポンプまたはCO2インフレーター、替えチューブ(1〜2本)、タイヤレバー、携帯工具、パッチキットなどのパンク修理・メンテナンス用品も欠かせません。収納にはサドルバッグ、必要に応じてトップチューブバッグを使用し、補給食、現金・カード、スマートフォン、モバイルバッテリーなども携帯しましょう。
軽量化のポイントは、本当に必要なものだけを厳選し、軽量な素材のアイテムを選ぶことです。タイヤやチューブの軽量化は回転部分のため効果が大きく、比較的安価に実現できます。経験を重ねるうちに、自分に最適な持ち物リストができあがっていきます。
ロングライドは準備が大切です。この記事を参考に、万全の準備で安全で楽しいロングライドをお楽しみください。無理をせず、自分のペースで走り続けることが、長距離を安全に楽しむための最大のコツです。



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