コルナゴ C68 × Super Record 13プレミアムパッケージの全貌を徹底解説

ロードバイク

コルナゴ C68 Road Super Record 13 プレミアムパッケージは、イタリアを代表する二つの名門ブランドが手を組んだ究極の完成車です。コルナゴのフラッグシップフレーム「C68 Road」に、カンパニョーロが世界初となるロード用13速電動ワイヤレスシステム「Super Record 13」を組み合わせたこの特別なバイクは、2025年12月5日に日本市場で正式発表されました。約250万円から280万円規模という価格帯は、まさにハイエンドロードバイクの頂点を象徴しています。この記事では、C68 Roadフレームの技術的特徴からSuper Record 13コンポーネントの革新的機能、そして全国で開催される試乗会情報まで、このプレミアムパッケージの魅力を余すところなくお伝えします。イタリアンロードバイクの最高峰を検討している方にとって、必要な情報がすべて揃っています。

コルナゴ C68 Roadとは

コルナゴ C68 Roadは、イタリアのコルナゴ社が誇るCシリーズの最新フラッグシップモデルです。「C」の称号は、Carbon(カーボン)、Colnago(コルナゴ)、Cambiago(カンビアーゴ:本社所在地)、Class(格式)を意味しており、創業40周年を記念して誕生したC40以来、ハンドメイドのラグ構造を貫いてきた特別なラインナップとなっています。

Cシリーズの歴史と系譜

1994年に登場したC40は、パリ〜ルーベにおいてマペイチームが使用し、石畳の激しい振動に耐えうるカーボンフレームとして世界に衝撃を与えました。それまで「カーボンは脆い」という常識を覆し、5勝を挙げるという伝説的な記録を打ち立てたのです。その後、C50、C59、C60、C64と進化を重ね、各時代の要請に応じてパイプ径の拡大やBB規格の変更、ディスクブレーキへの対応などを果たしてきました。しかし、その根底にある「ハンドメイド・イン・イタリー」へのこだわりは一度として揺らいだことはありません。

C68の革新的なモジュラー構造

C68は前作C64から大きな技術的飛躍を遂げています。モデル名の「68」は、コルナゴの創業から68年目(2022年発表時点)を記念するものであり、伝統的なラグ構造を現代的に再解釈した「モジュラー構造」を採用している点が最大の特徴です。従来のラグ構造ではチューブとラグが明確に別パーツとして存在していましたが、C68ではフレームを構成する複数のカーボンパーツ自体が構造体の一部として統合されています。フレームは主に8つのカーボンパーツから構成されており、これらを接合することで一体成型(モノコック)に近い滑らかなフォルムを実現しつつ、ラグ構造ならではのサイズ調整の自由度や剛性コントロールの利点を維持しています。

特筆すべきは、接合部に使用される「バンディング」プロセスです。熟練した職人の手作業によってカーボンバンドが接合部に積層され、研磨されることで、継ぎ目のない美しい仕上がりとなります。このプロセスこそが、C68が「ハンドメイド・イン・イタリー」である所以であり、大量生産品にはない魂が宿る理由です。

フレームの素材と設計思想

C68のフレーム重量はサイズ485(概ね54cm相当)の未塗装状態で約925gとされています。現代の超軽量クライミングバイクが700g台であることを考慮すれば、数値上は最軽量ではありません。しかし、C68が目指すのは単なる軽さではなく、走行安定性、快適性、そして所有する喜びを満たす質感です。チューブ形状はカムテール形状(切り落とし翼断面)を採用し、空力性能も前作C64から大幅に向上しています。ヘッドチューブ周辺のデザインは一新され、空力特性を高めると同時に、内装ケーブルルーティングに最適化された形状となっています。BB規格にはT47を採用しており、メンテナンス性と剛性のバランスを図っています。これにより、メカニックにとっても扱いやすく、異音トラブルの少ない構造を実現しています。

C68 Roadのジオメトリーと乗り味

C68 Roadのジオメトリーは、プロレースで勝利するための「Vシリーズ」と比較して、より多くのサイクリストに適合しやすい設計となっています。スタックとリーチのバランスは、過度に攻撃的すぎず、かといってエンデュランスロードほどアップライトでもない、絶妙な「レーシング・コンフォート」を実現しています。実際のライドフィールに関しては、高い剛性を持ちながらも路面からの突き上げを角の取れた「鈍い音」に変えるような、上質な振動減衰性が特徴です。高速ダウンヒルにおけるスタビリティ(安定性)は特筆もので、ライダーに絶対的な安心感を与えます。C68は、ライダーが意図したラインを正確にトレースし、ペダリングパワーを無駄なく推進力に変える「魔法の絨毯」のような乗り心地を提供します。

カンパニョーロ Super Record 13の革新性

今回のプレミアムパッケージの核となるのが、カンパニョーロが投入した新型コンポーネント「Super Record 13 Wireless」です。このシステムは、ロードバイク用としては世界初となる「フロント2速 × リア13速」の構成を実現し、かつ完全ワイヤレス化を果たした革新的なプロダクトです。

世界初のロード用13速システム

長らくロードバイクコンポーネントの多段化競争をリードしてきたカンパニョーロですが、この13速化は単に段数を増やしただけではありません。13枚のスプロケットを持つことで、ワイドなギアレシオをカバーしつつ、隣り合うギアの歯数差を極限まで小さくする「クロスレシオ」を維持することが可能になりました。これにより、ライダーはどのような速度域や勾配であっても、自身の最適なケイデンス(ペダル回転数)を維持し続けることができます。シマノやSRAMが12速で展開する中、13速という領域に踏み込んだことは、カンパニョーロの技術的優位性と独自性を示す大きなマイルストーンです。

完全ワイヤレス化がもたらすメリット

Super Record 13は、シフターとディレイラー間の通信を完全ワイヤレス化しました。これにより、フレームへのケーブル配線が不要となり、C68のようなフル内装フレームの美観を最大限に引き立てます。組み立てやメンテナンスの容易さも大きく向上しています。新型のワイヤレスシステムでは、フロントディレイラーとリアディレイラーにそれぞれ独立したバッテリーが搭載されています。これにより、フレーム内部の構造に依存せず、あらゆるフレームに対して容易にインストールが可能となりました。バッテリーは取り外し可能な設計ですが、マグネット式の充電コネクタを使用することで、バイクに装着したままでも充電が可能です。満充電での航続距離は約750km〜1000kmとされており、長距離のライドや数日間のツーリングでも不安なく使用できるスペックを確保しています。充電時間は約1時間(90%充電なら45分)と非常に高速で、急なライドの予定にも対応しやすい設計です。

カセットとギアレシオの選択肢

13速化に伴い、ギアの組み合わせにも大きな変革が起きました。カセットスプロケットの最小歯数は10T(10歯)からとなり、これに対応するために専用のフリーボディ規格「N3W(Next 3 Ways)」が採用されています。N3Wは、従来のカンパニョーロフリーボディと同じ溝形状を持ちながら、長さを短縮することで10T以下のコグに対応可能にした規格で、アダプターを使用すれば旧来のホイールにも対応できる互換性の高さが特徴です。

カセットのラインナップとしては、10-29T、10-33T、11-32T、11-36Tの4種類が用意されています。10-29Tは最もクロスレシオを重視した構成で、トップ側の9枚が1歯刻みという驚異的なつながりの良さを実現しており、平坦基調のレースや細かなペース配分が求められるシチュエーションに最適です。10-33Tは10-29Tのクロスレシオの良さを維持しつつ、より軽いギアを追加した万能型で、登りを含むオールラウンドなライドに対応します。11-32Tは従来の11Tスタートを好むライダー向けで、よりマイルドなギア比構成となります。11-36Tは激坂を含む過酷な山岳ルートや、グランフォンド、またはより軽いギア比で脚を残したいライダー向けのワイドレシオ設定です。

クランクセット(チェーンリング)も45/29T、48/32T、50/34T、52/36T、53/39T、54/39T、55/39Tと多岐にわたります。特に10Tトップの採用により、チェーンリングを小型化しても従来の53/11Tと同等以上のトップスピードを維持できるため、システム全体の軽量化と剛性バランスの最適化にも寄与しています。

エルゴパワーレバーとサムシフターの進化

カンパニョーロの代名詞とも言える「エルゴパワー」レバーも、ワイヤレス化に合わせて完全に再設計されました。レバーボディはやや長く、スリムになり、現代の多様なハンドポジションに対応します。特に手の小さいライダーや、エアロポジションを多用するライダーにとって、握りやすさが向上しています。

多くのファンを喜ばせたのが「サムシフター(親指操作レバー)」の復活と進化です。新型Super Record 13では、親指で操作するボタンが人間工学に基づいて再配置されました。新しいサムシフターは、ブラケットの内側下部に配置され、下ハン(ドロップ部分)を握った状態からでも親指で容易にアクセスできるようになっています。この「ワンレバー・ワンアクション」の哲学は、カンパニョーロのアイデンティティであり、シフトアップとシフトダウンの操作を物理的に異なる場所で行うことで、疲労時や混乱した状況下でも誤操作を防ぐための重要な要素です。レバー上部にはカスタマイズ可能な「モードボタン」も追加されており、サイクルコンピューターのページ送りやラップ計測などの機能を割り当てることが可能です。

ディスクブレーキシステムの洗練

ディスクブレーキシステムについても、さらなる洗練が図られています。キャリパーは鍛造アルミニウム製で、チタンボルトを採用することで軽量化を実現しています。新しいブレーキパッドは、有機系と焼結系の素材を選択可能で、ノイズを低減する層が設けられています。ローターは、放熱性を高めるフローティング構造を採用し、熱による歪みやフェード現象を抑制します。さらに、ローターのエッジ部分は「アンチ・カッティング」形状となっており、落車時の怪我のリスクを低減する安全設計が施されています。カンパニョーロのディスクブレーキは、そのコントロール性の高さ(モジュレーション)に定評があり、レバーの引き量に応じてリニアに制動力が立ち上がるアナログな感覚が、多くのライダーから支持されています。

プレミアムパッケージの構成内容

2025年12月5日に発表された「C68 Road × Super Record 13 プレミアムパッケージ」は、コルナゴの日本総代理店である株式会社アキボウが企画した、国内市場向けの特別な完成車パッケージです。通常、C68のようなハイエンドフレームは「フレームセット」での販売が主ですが、このパッケージはメーカーが「C68の性能を最大限に引き出す最適解」として厳選したパーツ構成で提供されています。

フレームとカラーバリエーション

フレームはC68 Roadが採用されており、カラーバリエーションとしてはレギュラーカラーであるHRWP(ホワイト/プラチナ)、HRRD(ブラック/レッド)、HRBK(ブラック/ブラック)などが選択肢に含まれると考えられます。プレミアムパッケージならではの特別色や、プロチームレプリカカラーが含まれる可能性もあります。サイズ展開は420から570まで幅広く用意されており、日本人の体格に合わせたサイズ選びが可能です。

Super Record 13 Wirelessフルセット

コンポーネントはSuper Record 13 Wirelessのフルセットでアッセンブルされています。クランク長(165mm、170mm、172.5mm、175mm)やチェーンリング歯数、カセットスプロケットの歯数構成は、オーダー時に選択可能であるか、あるいは最も一般的な構成が標準設定されている可能性があります。日本国内の地形を考慮すると、コンパクトクランク(50/34T)とワイドレシオカセット(10-29Tまたは10-33T)の組み合わせが有力です。

Bora Ultra WTOホイール

ホイールには、カンパニョーロの最高峰「Bora Ultra WTO(ボーラ ウルトラ WTO)」シリーズがアッセンブルされることが確実視されます。特にオールラウンドな性能を持つリムハイト45mmの「Bora Ultra WTO 45」は、C68のキャラクターに最も合致するホイールです。このホイールは、超軽量なハンドメイドカーボンリム(H.U.L.C.構造)と、究極の回転性能を誇るCULT(セラミック・アルティメット・レベル・テクノロジー)ベアリングを搭載しており、ハブ内部の摩擦抵抗を極限まで低減しています。スポークニップルをリム内部に隠す「Aero Mo-Mag」テクノロジーにより、空力性能を向上させつつ、メンテナンス性も確保しています。

CC.01インテグレーテッドハンドルバー

ハンドル周りには、C68専用に設計された「CC.01」インテグレーテッドハンドルバーが採用されています。これはステムとハンドルが一体化したカーボンモノコック構造で、軽量かつ高剛性でありながら、優れた空力性能を誇ります。ケーブル類は全てハンドルの内部を通ってフレームへと導かれるため、外観は極めてクリーンです。CC.01は、リーチが長めでドロップが浅い現代的なジオメトリーを採用しており、下ハンを握った際の安定感と、ブラケットポジションでの快適性を両立しています。専用のコンピュータマウントも用意されており、ガーミンやワフーなどのサイクルコンピューターをスマートに装着可能です。

C68 × Super Record 13のライドエクスペリエンス

この組み合わせがもたらす走行体験は、あらゆるシチュエーションで卓越したパフォーマンスを発揮します。

ヒルクライムでの性能

日本のサイクリストにとって最も関心の高いヒルクライム性能において、このパッケージは卓越したパフォーマンスを発揮します。フレーム重量自体は超軽量級ではありませんが、Bora Ultra WTOホイールの軽さと剛性、そしてC68の高効率なパワー伝達性能により、ペダルを踏み込んだ瞬間の反応性は鋭く、急勾配でも軽快に進みます。Super Record 13のクロスレシオ・ギアが真価を発揮し、13速化によりギア一枚一枚のつながりがスムーズであるため、勾配の変化に合わせてこまめに変速を行っても、ペダリングのリズムが崩れません。特に10-29Tカセットを使用した場合、ロー側のギアでも歯数差が小さく抑えられているため、激坂区間でも最適なケイデンスを維持しやすく、疲労の蓄積を抑えることができます。

ダウンヒルとコーナリングの安定性

C68の真骨頂は、下りとコーナーにあります。ヘッドチューブ周りの剛性が高く、フォークの追従性が優れているため、高速コーナーでも狙ったラインを外すことなく、オン・ザ・レール感覚で駆け抜けることができます。カンパニョーロのディスクブレーキが加わることで、コントロール性はさらに高まります。指先の微妙な力加減で制動力をコントロールできるため、コーナー手前での減速がスムーズに行え、恐怖感を感じることなくコーナーへ侵入できます。C68の振動減衰性と相まって、荒れた路面の下りでもバイクが跳ねることなく、タイヤが路面に吸い付くような接地感を得られます。

平地巡航とロングライドの快適性

平坦路での巡航においては、Bora Ultra WTOホイールの空力性能とハブの回転性能が、ライダーのパワーを温存します。C68のフレームは、路面の微細な振動を吸収し、長時間のライドでも身体へのダメージを最小限に抑えます。Super Record 13のエルゴパワーレバーは、握り心地が良く、様々なポジションを取ることができるため、長距離ライドでも手のひらや手首への負担が軽減されます。ワイヤレス変速の操作は非常に軽い力で行えるため、疲労困憊したライド後半でも変速操作が苦になりません。

価格と競合モデルとの比較

本プレミアムパッケージの価格については、販売店や仕様により異なりますが、各コンポーネントの単体価格から推測すると、総額は約250万円〜280万円規模となります。

価格の内訳

Super Record 13グループセット単体は約78万円〜100万円(パワーメーター有無による)、C68 Road Discフレームセットは約96.8万円(税込)、Bora Ultra WTOホイールは約60万円前後、CC.01ハンドルバーは約12万円前後、その他(サドル、タイヤ、工賃等)が約10万円となっています。これらを合算すると、単純計算でも250万円を超えます。完成車パッケージとして多少の価格調整が入ったとしても、200万円台後半のプライスタグが付くことは確実です。

競合モデルとの比較

競合となるのは、ピナレロ ドグマFやスペシャライズド S-ワークス ターマックSL8などのトップモデルです。これらがシマノ・デュラエースDi2搭載で180万円〜220万円程度であることを考えると、C68プレミアムパッケージはさらに一段上の価格帯に位置します。しかし、カンパニョーロSuper Record自体がシマノDura-Aceよりも高価であり、かつ希少性が高いことを考慮すれば、この価格差は「ブランド料」というよりも「コンポーネントの価値」を反映したものと言えます。

ターゲット層と所有の意義

このバイクがターゲットとするのは、コストパフォーマンスを最優先する層ではありません。ロードバイクの歴史や文化に深い造詣を持ち、イタリアンブランドの哲学に共鳴するエンスージアスト(愛好家)、そして「人とは違う特別な一台」を求める層が主な対象です。かつてC40やC50に憧れを抱いていた世代が、経済的な余裕を持ち、再びロードバイクの頂点を目指す際の「上がりの一台」としても最適です。シマノの機械的な完璧さとは異なる、カンパニョーロの「官能的な操作感」とコルナゴの「重厚な乗り味」は、数値には表れない満足感をオーナーに提供します。

試乗会情報と購入方法

このような高額なバイクを購入するにあたり、実際の乗り味を確認することは非常に重要です。コルナゴ・ジャパン(アキボウ)は、このプレミアムパッケージの発売に合わせて、国内の主要都市で「リミテッドテストライドツアー」を開催しています。

大阪エリアの試乗会

シルベストサイクル梅田店では、2025年12月6日(土)から12月14日(日)まで試乗会が開催されます。場所は大阪市北区梅田2-5-25 ハービスプラザB1Fで、時間は11:00から20:00までです。注目の初動となる試乗会であり、関西圏のファンにとっては見逃せない機会です。

愛知エリアの試乗会

カミハギサイクル小牧本店では、2025年12月20日(土)から2026年1月5日(月)まで試乗会が開催されます。場所は愛知県小牧市小木東1-25で、時間は11:00から19:30までです。定休日は火曜と一部水曜で、年末年始の営業については要確認となっています。年末年始を跨ぐロングラン開催となっており、じっくりと検討する時間が取れるでしょう。

神奈川・湘南エリアの試乗会

SBC湘南藤沢店では、2026年1月17日(土)から1月25日(日)まで試乗会が開催されます。場所は神奈川県藤沢市片瀬357番地 エスポワール23 1Fで、時間は平日11:00〜19:00、土日祝10:00〜19:00です。定休日は火曜と水曜となっています。関東圏での開催となり、多くのサイクリストが集まることが予想されます。

納期とオーダーについて

C68は基本的にイタリア本国でのハンドメイド生産が行われているため、通常オーダーの場合、納期は数ヶ月から半年、場合によってはそれ以上かかることがあります。特に特別なカラーやサイズを指定する場合、忍耐が必要です。しかし、今回の「プレミアムパッケージ」に関しては、日本国内向けにあらかじめ一定数が確保されている可能性があります。2025年12月5日の発表直後からオーダー受付が開始されており、初期入荷分については比較的早い納車が期待できるかもしれません。ただし、数量は極めて限定的であると予想されるため、購入を真剣に検討している場合は、正規ディーラーへ早急に問い合わせることをお勧めします。

メンテナンスとアフターケアについて

Super Record 13 Wirelessは、ケーブルがないため断線のリスクがなく、初期設定さえ完了すればメンテナンスフリーに近い状態を維持できます。バッテリー管理については、フロント・リア共にLEDインジケーターで残量を確認でき、MyCampy 3.0アプリを通じてスマートフォンで詳細なステータスを管理することも可能です。充電は専用のマグネットケーブルを使用し、PCのUSBポートやモバイルバッテリーから給電可能です。万が一出先でバッテリーが切れた場合でも、フロントとリアのバッテリーは互換性があるため、リアのバッテリーが切れた際にフロントのバッテリーをリアに移設して、変速不能による走行不能状態を回避するといった緊急対応も可能です。

C68の塗装は非常に高品質ですが、長く美しさを保つためには定期的なクリーニングとコーティングが推奨されます。特にマット仕上げのカラーの場合、専用のクリーナーを使用することが望ましいでしょう。Bora Ultra WTOホイールのCULTベアリングは、グリスアップの頻度が低くても回転性能を維持できる優れた耐久性を持っていますが、定期的な点検は不可欠です。高価な機材だからこそ、信頼できるプロショップでの定期的なオーバーホールを受けることが、性能維持の鍵となります。

まとめ

2025年12月5日に発表された「コルナゴ C68 Road Super Record 13 プレミアムパッケージ」は、単なる移動手段やスポーツ機材の枠を超えた存在です。それは、イタリアの自転車文化が生み出した二つの偉大なブランドが、それぞれの威信をかけて作り上げた「作品」と言えます。C68の持つ伝統的なラグ構造が生み出す独特のバネ感と上質な乗り心地、そしてSuper Record 13が提供する絹のように滑らかで正確な13速の変速性能が融合することで、ライダーは路面との対話を楽しみながら、かつてないほどの快適さと速さを手に入れることができます。

昨今の自転車業界は、空力性能や重量といった数値上のスペック競争に明け暮れています。しかし、コルナゴとカンパニョーロは、そうした数値競争から一歩引いたところで、「自転車に乗るという行為そのものの豊かさ」を追求しています。このプレミアムパッケージは、効率やコスパといった指標から解き放たれ、純粋に「良いもの」を知る大人のサイクリストに向けた、究極の回答と言えるでしょう。これから開催される各地の試乗会は、この至高の世界への入り口です。もしあなたが、真に特別な一台を探しているのであれば、このプレミアムパッケージこそが、その探求の終着点となるかもしれません。

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