熊本県の西部に浮かぶ天草諸島は、サイクリストにとって憧れの聖地として知られています。紺碧の海と緑豊かな山々が織りなす絶景の中を走り抜けることができる特別なイベント、それがあまいちグランフォンド2025です。本イベントのエントリー申込方法や2025年の締切情報について、多くのサイクリストが関心を寄せています。雲仙天草国立公園天草指定70周年記念プレイベントとして開催されるこの大会は、12月13日と14日の二日間にわたって実施されます。エントリーの締切は2025年11月16日に設定されていますが、定員になり次第受付が終了となるため、参加を希望される方は早めの申込が推奨されています。3つの個性的なコースが用意されており、初心者から上級者まで、自分のレベルに合わせた挑戦が可能です。本記事では、あまいちグランフォンド2025のエントリー方法から締切までの詳細情報、そして大会の魅力について包括的に解説していきます。
あまいちグランフォンド2025の開催概要と特別な意義
天草一周あまいちグランフォンド2025は、単なるサイクリングイベントではなく、地域の歴史と未来を繋ぐ重要な役割を担っています。このイベントは、令和8年に迎える雲仙天草国立公園天草指定70周年という大きな節目に向けた記念プレイベントとして位置づけられており、国立公園という日本の宝を舞台にした壮大な記念事業の一環として実施されます。
参加者は、ただペダルを漕ぐだけでなく、長年守られてきた天草の大自然の価値を全身で体感し、地域の記念事業に参加するという特別な体験を得ることができます。天草諸島は大小120余りの島々からなり、温暖な気候と歴史と文化が息づく漁村の風景、そして息をのむような夕日が魅力的な場所です。このすべての要素が、サイクリングを通じて味わえる貴重な機会となっています。
イベントの理念として重視されているのが、レースではなくグランフォンドという哲学です。グランフォンドとはイタリア語で長い距離を移動することを意味しますが、その本質はタイムや順位を競うことではありません。自分自身のペースで走り、エイドステーションで地域の食を楽しみ、仲間との交流や目の前に広がる絶景を心ゆくまで味わうことこそが醍醐味となっています。
あまいちグランフォンド2025も、この哲学を深く受け継いでおり、スピードを競うのではなく、参加者一人ひとりが天草の自然と対話し、サイクリングを通じてその魅力を満喫することに主眼が置かれています。この点が、従来のサイクリングレースとは大きく異なる特徴であり、幅広い層のサイクリストが安心して参加できる理由となっています。
エントリー申込の期間と締切に関する重要情報
あまいちグランフォンド2025のエントリー受付期間は、2025年9月25日木曜日の正午12時から開始されました。最終的な締切は2025年11月16日日曜日に設定されていますが、ここで最も注意すべき重要なルールがあります。それは、定員になり次第、締切日を待たずに受付が終了となる点です。
各コースには厳格な定員が設けられており、140キロメートルのモニターコースは30名、80キロメートルの下島メインコースは170名、80キロメートルの上島コースは200名となっています。人気の高いイベントであるため、締切日よりも前に定員に達する可能性が十分に考えられます。確実に参加したい方は、受付開始後できるだけ早く手続きを完了させることが賢明な判断といえるでしょう。
現在は11月上旬に入っており、締切の11月16日まで残りわずかとなっています。まだエントリーを完了していない方は、今すぐにでも申込手続きを進めることを強くお勧めします。各コースの空き状況は公式サイトやスポーツエントリーのページで確認できますので、定期的にチェックすることも大切です。
エントリーの申込期間中は、オンラインでの手続きが24時間可能となっており、自宅からでも簡単に登録を完了させることができます。ただし、申込が集中する時間帯にはアクセスが混雑する可能性もあるため、時間に余裕を持って手続きを行うことをおすすめします。
詳細なエントリー申込方法のステップバイステップガイド
あまいちグランフォンド2025のすべての申込は、オンラインポータルサイトSPORTS ENTRY（スポーツエントリー）を通じて行われます。まずは大会公式サイトにアクセスし、エントリーページへのリンクから進むのが最も確実な方法となっています。公式サイトのURLは、amakusa-cycle-granfondo.jpです。
スポーツエントリーのサイトを初めて利用する方は、まずメンバー登録が必要になります。メンバー登録では、メールアドレスやパスワード、基本的な個人情報を入力することになります。すでにスポーツエントリーのアカウントをお持ちの方は、ログインIDとパスワードでサインインすることができます。
ログイン後は、検索機能を使って「あまいちグランフォンド2025」を検索します。イベントページが表示されたら、希望するコースを選択します。コースは、12月13日開催の140キロメートルコース、同じく12月13日開催の80キロメートル下島コース、そして12月14日開催の80キロメートル上島コースの3つから選ぶことができます。
コースを選択した後は、画面の指示に従って必要情報を入力していきます。入力が求められる主な項目には、氏名、生年月日、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、緊急連絡先などが含まれます。緊急連絡先は、万が一の事故や体調不良の際に主催者が連絡を取るための重要な情報ですので、確実に連絡が取れる方の情報を正確に入力してください。
すべての必要情報を入力し終えたら、入力内容を確認する画面に進みます。ここで誤りがないかを慎重にチェックしてください。特に氏名や生年月日、緊急連絡先などは、後から変更ができない場合もありますので、正確性が非常に重要です。内容に問題がなければ、支払い方法の選択に進みます。
支払い方法は、クレジットカード決済やコンビニエンスストア決済など、複数の選択肢が用意されています。自分にとって都合の良い方法を選択し、決済を完了させることでエントリー手続きが完了します。決済が完了すると、登録したメールアドレスに確認メールが送信されますので、必ず保存しておくようにしましょう。
家族での参加を考えている方への特別措置
あまいちグランフォンド2025では、家族での参加を考えている方に嬉しい特典が用意されています。保護者1名の参加につき、小学生または中学生のお子様1名を無料で帯同させることが可能となっているのです。これは、家族でサイクリングを楽しみたい方にとって、非常に魅力的な制度といえるでしょう。
この特別措置を利用する場合の手続き方法は、やや特殊ですので注意が必要です。まず、保護者である大人の参加者が、通常通り自分自身の種目を選択してエントリー手続きを進めます。その後、必要情報入力フォーム内に、お子様の情報を入力する専用の欄が設けられていますので、そこにお子様の氏名、年齢、性別などの情報を入力します。
重要なポイントとして、帯同するお子様自身がスポーツエントリーのメンバー登録をする必要はありません。保護者の申込情報の中にお子様の情報を含める形となりますので、手続きは比較的シンプルです。ただし、安全管理の観点から、お子様が長距離のサイクリングに十分耐えられる体力と技術を持っているかどうかを、保護者の方が事前に慎重に判断することが求められます。
お子様を帯同する場合でも、ヘルメットやグローブといった安全装備の着用は必須となります。また、お子様用の自転車も、コースの距離や獲得標高に適したスポーツサイクルであることが望ましいです。特に80キロメートルや140キロメートルといった長距離を走行することになりますので、事前に十分な練習を積んでおくことをおすすめします。
申込完了後の確認事項と当日までの準備
エントリーと支払いが完了した後、多くのイベントでは参加通知書やハガキが郵送されてきますが、あまいちグランフォンド2025では紙の参加通知書やハガキは郵送されません。これは重要なポイントですので、しっかりと覚えておく必要があります。
大会に関する最終的な詳細情報、例えば当日の受付場所の正確な地図、駐車場の案内、スケジュールの確認事項、注意事項などは、開催日の1週間前までに大会公式サイト上で公開される予定となっています。したがって、参加者は定期的に公式サイトをチェックする習慣をつけておくことが重要です。
また、エントリー完了時に登録したメールアドレスにも、重要な情報が送信される可能性があります。迷惑メールフォルダに振り分けられてしまわないよう、大会事務局からのメールを受信できるように設定を確認しておくことをおすすめします。特に、開催日直前には最終的な案内メールが送られてくることが予想されますので、メールの確認を怠らないようにしましょう。
当日までの準備としては、自転車の整備も重要な要素となります。長距離を走行するため、タイヤの空気圧、ブレーキの効き具合、チェーンの注油状態、ギアの変速がスムーズに行えるかなど、事前に入念にチェックしておく必要があります。可能であれば、専門店で点検を受けておくと安心です。
申込における重要な規約と注意事項
エントリー手続きを進める前に、必ず理解しておくべき重要な規約がいくつかあります。まず、一度エントリーが確定すると、自己都合による申込内容の変更、キャンセル、そして参加費の払い戻しは一切できません。この規約は非常に厳格に適用されますので、申込前に十分に検討することが必要です。
例えば、エントリー後に予定が変わってしまった場合や、体調を崩してしまった場合でも、参加費の返金は受けられません。また、選択したコースを後から変更することもできませんので、自分の体力や経験に合ったコースを慎重に選ぶことが重要です。天候不良などによる大会の中止や延期の場合の対応については、大会規約に記載されていますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
さらに、申込者本人以外の出走、いわゆる代理出走は固く禁じられています。もし代理出走が発覚した場合は、即座に失格となり、今後の大会への参加も認められない可能性があります。これは、参加者の安全管理や保険適用の観点から設けられている重要なルールです。
参加資格についても確認が必要です。140キロメートルのモニターコースについては、天草地域でのサイクリング経験が豊富な方という参加資格が明確に定められています。このコースは来年の本大会に向けたモニター調査を兼ねているため、経験者のみが参加できる特別なコース設定となっています。一方、80キロメートルの2つのコースについては、基本的な体力と自転車の操作技術があれば参加可能ですが、長距離走行に耐えられる準備が必要です。
選べる3つのコースの詳細と特徴
あまいちグランフォンド2025では、参加者のレベルや目的に合わせて選べる3つの個性的なコースが用意されています。それぞれのコースには独自の魅力と挑戦があり、自分に最も適したコースを選ぶことが、充実したサイクリング体験への第一歩となります。
140キロメートル下島モニターコースは、12月13日土曜日に開催される最も過酷な挑戦です。参加費は12,000円で、走行距離は実に140キロメートル、獲得標高は1,523メートルという本格的な山岳コースとなっています。定員はわずか30名に限定されており、参加資格も天草地域でのサイクリング経験が豊富な方と明確に定められています。
このコースの特別な点は、来年の本大会に向けてのモニター調査コースとして設定されていることです。参加者は単なる挑戦者ではなく、未来の大会を創るためのパイオニアとしての役割を担うことになります。ルートは交通量の多い国道を避けつつ、風光明媚な西海岸ルートを新たに設定しており、海と山のすべてを堪能できるよう設計されています。スタートは早朝午前7時で、制限時間は10時間となっています。
80キロメートル下島メインコースも12月13日土曜日に開催されます。参加費は9,000円で、走行距離は約80キロメートル、獲得標高は986メートルとなっており、中級者にとって最適なバランスの取れたコースです。定員は170名で、苓北町の富岡港をスタート・ゴール地点としています。
このコースのハイライトは景色の多様性にあります。コース中盤ではユニークな宮地岳かかしの里を通過し、のどかな田園風景が心を和ませてくれます。そしてライドの終盤には、西海岸の美しい夕景が待っています。スタートは午前8時30分で、制限時間は7時間30分となっており、午後4時30分までにゴールする必要があります。
80キロメートル上島コースは12月14日日曜日に開催されます。参加費は9,000円で、走行距離は約80キロメートル、獲得標高は1,057メートルですが、ほぼフラットで走りやすいと評されているのが特徴です。定員は200名と3つのコースの中で最も多く設定されており、上天草市役所姫戸地域振興センターをスタート・ゴール地点としています。
このコースの最大の魅力は、かつて多くのサイクリストに親しまれた天草四郎サイクリングフェスタのコースをほぼそのまま引き継いでいる点です。その走りやすさと景色の良さは実績によって証明されており、天草五橋が織りなす多島美を眺めながら快適なサイクリングを楽しむことができます。スタートは午前8時30分で、制限時間は8時間となっており、午後4時30分までにゴールすることが求められます。
大会当日のスケジュールと流れ
大会当日のスケジュールを事前に把握しておくことは、スムーズな参加のために非常に重要です。特に早朝スタートとなるコースもありますので、前日の宿泊場所から会場までの移動時間を考慮した計画が必要です。
12月13日土曜日に開催される140キロメートルコースの参加者は、最も早い時間帯に行動を開始する必要があります。受付は午前6時から苓北町富岡港で開始されます。夜明け前の時間帯ですので、ライトを装備しておくことが推奨されます。午前6時40分にはコース概要説明とセレモニーが行われ、その後、午前7時に力強くスタートを切ることになります。
同じ12月13日の80キロメートル下島メインコースは、より多くの参加者が集まるため、スケジュールにも余裕を持たせています。受付時間は午前8時の開会式に合わせて設定されており、午前8時30分に華やかにスタートします。スタートはウェーブスタート方式となっており、10名から20名程度の小グループに分かれて時間差で出発します。
12月14日日曜日に開催される80キロメートル上島コースは、上天草市姫戸地域振興センターが舞台となります。受付は午前7時から始まり、午前8時の開会式を経て、午前8時30分に全参加者が順次スタートしていきます。こちらもウェーブスタート方式が採用されています。
各コースのゴール制限時間は厳格に設定されています。80キロメートルコースは午後4時30分、140キロメートルコースは午後5時が最終時刻となっています。制限時間を過ぎてのゴールは認められませんので、自分のペースを考慮して余裕を持った走行計画を立てることが大切です。
走行中のルールと安全対策
あまいちグランフォンド2025の最も重要な特徴の一つは、コースが交通規制されていないオープンロードであるという点です。つまり、一般車両も通常通り走行しており、参加者は公道を走る一般車両と同じく、道路交通法を厳守する必要があります。
走行の基本ルールとして、参加者は原則として道路の左側を一列で走行しなければなりません。複数人で横に並んで走ることは、他の車両の通行を妨げるだけでなく、非常に危険な行為ですので固く禁じられています。追い越しをする場合も、後方の安全を十分に確認し、短時間で速やかに行う必要があります。
信号や一時停止の標識がある場所では、必ず停止しなければなりません。これはレースではなく、交通社会の一員としてのマナーとルールを守ることが大前提となっているためです。周囲への配慮と譲り合いの精神を持って走行することが、すべての参加者に求められています。
主催者側も参加者の安全を確保するために万全の体制を整えています。コース上の主要な交差点や危険が予測される箇所には、警備スタッフや立哨員が配置され、安全な走行を誘導してくれます。また、万が一制限時間内の完走が困難になったり、機材トラブルや体調不良でリタイアしたりした場合でも、専用の回収車であるサグワゴンが巡回しており、ライダーと自転車を安全にゴール地点まで搬送してくれます。
体調管理も非常に重要な要素です。コース上には複数のエイドステーションが設置されており、水分補給や軽食、休憩スペースが提供されます。特に冬季の開催となるため、気温の変化に対応できる服装を準備し、こまめな水分補給を心がけることが大切です。無理をせず、自分の体調と相談しながら走行することが、安全にゴールするための鍵となります。
必須装備と推奨機材について
参加者全員に義務付けられている装備がいくつかあります。まず最も重要なのがヘルメットの着用です。これは絶対に守らなければならないルールであり、ヘルメットを着用していない参加者はスタートすることができません。使用するヘルメットは、SG規格、JCF公認、CE規格といった安全基準をクリアしたものである必要があります。
次に重要なのがグローブの着用です。転倒時の怪我を軽減するため、手を保護するグローブの着用も必須とされています。特に長距離走行では、ハンドルを握り続けることによる手のひらの痛みも軽減してくれますので、クッション性のあるサイクリング専用のグローブを選ぶことをおすすめします。
自転車の種類については、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなどのスポーツサイクルが推奨されています。ママチャリのような一般的な自転車での参加は、距離や獲得標高を考えると現実的ではありません。興味深いことに、電動アシスト付き自転車での参加も認められています。特に体力に不安がある方や、登り坂に苦手意識がある方にとっては、電動アシスト付き自転車は強い味方となるでしょう。
12月の早朝スタートや日没後のゴールを考慮すると、フロントライトとテールライトの装備も非常に重要です。特に140キロメートルコースでは午前7時という日の出直後のスタートとなるため、薄暗い中での走行が予想されます。また、制限時間ぎりぎりでゴールする場合は、日没後の時間帯になる可能性もあります。明るく視認性の高いライトを装備することで、自分の存在を他の車両に知らせることができ、安全性が大きく向上します。
その他の推奨装備としては、パンク修理キット、予備チューブ、携帯用空気入れなどが挙げられます。長距離走行中にパンクが発生する可能性は決して低くありません。自分で簡単な修理ができるように、事前に練習しておくことも大切です。また、補給食や飲料水も十分な量を携帯しておくことをおすすめします。
保険と安全対策について
参加費には傷害保険が含まれています。補償内容は、死亡・後遺障害が200万円、入院日額2,500円、通院日額1,500円、そして賠償責任が5,000万円となっています。これは万が一の際の最低限の補償を提供するものです。
しかし、主催者は参加者自身が別途、個人で自転車保険に加入することを強く推奨しています。近年、自転車による事故で高額な賠償責任が発生するケースが増えており、イベントに付帯する保険だけでは十分にカバーできない場合があるためです。自転車保険には様々な種類がありますので、自分に合ったプランを選んで加入しておくことをおすすめします。
また、当日は健康保険証またはそのコピーを必ず携帯してください。万が一の怪我や体調不良で医療機関を受診する必要が生じた場合、健康保険証がないと全額自己負担となってしまいます。コンパクトなケースに入れて、ジャージのポケットやサドルバッグに収納しておくと良いでしょう。
事前の健康管理も重要です。大会の数週間前から体調を整え、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。前日の飲酒は控えめにし、早めに就寝して体力を温存しておくことをおすすめします。
アクセス方法と駐車場情報
スタート地点へのアクセス方法を事前に確認しておくことは、当日の円滑な参加のために欠かせません。12月13日土曜日の下島コースのスタート地点となる苓北町の富岡港は、熊本市内や九州自動車道松橋インターチェンジから車で約2時間半の距離にあります。
富岡港周辺には、富岡海水浴場や富岡城跡などに複数の駐車場が用意されており、合計で100台近い駐車スペースが確保されています。ただし、早朝のスタートとなるため、余裕を持って到着できるよう、前日から天草入りして宿泊することを強くおすすめします。
12月14日日曜日の上島コーススタート地点となる上天草市姫戸地域振興センターは、松島有料道路の知十インターチェンジから約6キロメートルの場所に位置しています。こちらも駐車場が用意されていますが、200名の参加者が集まるため、できるだけ早めに到着することが望ましいです。
公共交通機関を利用する場合、最寄りのバス停から徒歩圏内ではありますが、本数が限られているため事前の時刻確認が必要です。特に早朝の時間帯は運行本数が少ないことが予想されますので、現実的には自家用車やレンタカーでのアクセスが最も便利でしょう。
遠方から参加する場合、飛行機を利用して熊本空港や福岡空港、長崎空港などから天草へ向かう方法もあります。空港からはレンタカーを利用するか、空港連絡バスと路線バスを乗り継いで天草へ向かうことになります。いずれの場合も、自転車の輸送方法を事前に確認しておく必要があります。
サイクリストに優しい宿泊施設の紹介
遠方からの参加者にとって、宿泊施設の選択は非常に重要な要素です。特に、高価なロードバイクを安全に保管できるかどうかは大きな関心事となるでしょう。幸いなことに、天草にはサイクリストのニーズに応える素晴らしい宿泊施設が存在します。
その代表格といえるのが、有明町にあるB&B SHIMAGO SURFRIDERです。この施設はシャッター付きの完全屋内ガレージを完備しており、盗難や雨風から愛車を完璧に守ることができます。さらに、メンテナンス工具や整備スタンド、洗車用のシャワーも自由に利用できるため、まさにサイクリストの聖地と呼ぶにふさわしい環境が整っています。
また、この施設は地域のサイクルステーションにも認定されており、宿泊者以外のサイクリストも休憩や補給の拠点として利用することができます。周辺のコース情報や観光スポットについても詳しい情報を提供してくれるため、初めて天草を訪れる方にとっては特に心強い存在となるでしょう。
天草地域観光推進協議会の働きかけにより、近年では多くの宿泊施設が自転車の館内持ち込みに対応するようになっています。旅館やホテルによっては、専用の自転車置き場を設けているところもありますし、客室内への持ち込みを許可している施設もあります。
ビジネスホテルチェーンのホテルAZも、客室への自転車持ち込みを許可する全店統一のポリシーを掲げています。天草エリアにもホテルAZの店舗があり、比較的リーズナブルな価格で宿泊できる上、自転車の安全も確保できるため、コストパフォーマンスを重視する方には良い選択肢となるでしょう。
宿泊施設を予約する際は、必ず自転車の持ち込みや保管について事前に確認することをおすすめします。予約時に自転車を持参する旨を伝えておくことで、施設側も適切な部屋の配置や保管場所の準備をしてくれます。
天草のグルメとご褒美
グランフォンドのもう一つの大きな楽しみは、消費したカロリーを補って余りある、地域の美味しい食事を堪能することです。天草は海の幸と山の幸に恵まれた食の宝庫として知られており、サイクリングの後には絶品のグルメが待っています。
ライドを終えた後には、天草の新鮮な魚介をふんだんに使った海鮮丼が疲れた身体に染み渡ります。天草海鮮蔵などの人気店では、ウニやアワビ、マグロ、イクラといった高級食材を贅沢に盛り込んだ海鮮丼を味わうことができます。新鮮な魚介の甘みと旨味が口いっぱいに広がり、長距離を走り切った達成感をさらに高めてくれるでしょう。
天草のソウルフードとして地元の人々に愛されているのが天草ちゃんぽんです。魚介と野菜の旨味が凝縮された濃厚なスープは、冷えた身体を芯から温めてくれます。特に12月の寒い時期には、温かいちゃんぽんが格別の美味しさを感じさせてくれることでしょう。各店舗がそれぞれ独自のレシピで作っており、食べ比べも楽しめます。
天草の特産品として有名なのが車海老です。海老の宮川のように、自社で車海老を養殖している店舗では、踊り食いから天ぷら、塩焼きまで、様々な調理法で新鮮な車海老を心ゆくまで味わうことができます。プリプリとした食感と甘みのある身は、一度食べたら忘れられない美味しさです。
各地にある道の駅も、地元の特産品やグルメを手軽に楽しめるスポットとして見逃せません。道の駅うしぶか海彩館などでは、地元の食材を使った料理や土産物が豊富に揃っています。また、地元の農家が作った新鮮な野菜や果物、加工品なども販売されており、お土産選びも楽しめます。
実際に天草を走ったサイクリストの体験談
データや情報だけでは伝わらない、天草の道のリアルな表情を知るために、実際に走ったサイクリストたちの体験談は非常に貴重です。多くのライダーが共通して語るのは、その圧倒的な景観の美しさです。
最初の橋である天門橋に差し掛かった瞬間に、いきなり絶景が広がる感動を味わったという声が多く聞かれます。海岸線に沿って続くありあけタコ街道では、穏やかな潮風を感じながら、心ゆくまでペダリングを楽しむことができます。視界いっぱいに広がる青い海と空のコントラストは、まさに絶景と呼ぶにふさわしいものです。
旅のハイライトとして多くのサイクリストが挙げるのが、世界文化遺産にも登録されている﨑津集落です。静かな漁港に佇むゴシック様式の﨑津教会の姿は、まるで時が止まったかのような美しさで、多くのライダーが足を止めて写真を撮っています。歴史と文化が息づくこの場所は、サイクリングの疲れを癒してくれる特別なスポットとなっています。
そして一日の終わりには、西海岸に沈む夕日が最高のご褒美として待っています。あるライダーは、その光景を「この日頑張って良かったと思える最高の夕日」と表現しており、厳しいライドの疲れを全て癒してくれる感動的な瞬間となります。オレンジ色に染まる空と海、そしてシルエットとなる島々の姿は、一生の思い出として心に刻まれることでしょう。
しかし、天草の道は優しさだけを見せてくれるわけではありません。特に本土から島へと渡る序盤の区間は、意外にも交通量が多く、しかも路肩が狭いため、集中力を要するという声が多く聞かれます。ただし、上天草市に入ると交通量は減少し、走りやすくなるとのことです。
最大の難所として挙げられるのが、島々を結ぶ天草五橋です。これらの橋は道幅が狭く、路肩や歩道も十分なスペースがあるとは言えません。交通量が多い上に、海上では強い横風が吹くことも珍しくありません。風に煽られて自転車を押して渡ることを余儀なくされたという体験談もあり、絶景の裏にある厳しさを物語っています。
天候についても注意が必要です。海沿いのサイクリングは天候に大きく左右されます。過去の大会では、朝からの冷たい雨に見舞われたこともありました。雨の中での走行は体温を奪い、視界を悪くし、路面を滑りやすくするため、十分な雨対策が必要です。質の良いレインウェアや防水グローブ、シューズカバーなどの装備を準備しておくことが推奨されます。
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