BESV SMALO AI スマートe-Bike 2026年モデルは、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を標準搭載した次世代の電動アシスト自転車です。2026年モデルでは、新たに「SEシリーズ」が登場し、4G通信機能を省略することで価格を抑えながらも、AIによる自動アシスト制御やスマートロックといった先進機能を維持しています。特に注目すべきは、フラッグシップモデル「LX2 SE」が328,000円(税込)、コンパクトモデル「PX2 SE」が298,000円(税込)という価格設定で、これまで高価格帯だったAI搭載e-Bikeが一気に手の届きやすい存在となりました。
BESV(ベスビー)は、台湾の電子機器大手Darfon Electronicsを母体に持つe-Bikeブランドです。長年培ってきたバッテリー制御技術とIT技術を融合させ、デザインとスマート機能において他社と差別化を図ってきました。2023年に立ち上げられたプレミアムサブブランド「SMALO(スマーロ)」は、ライダーのペダリングや走行環境を学習して最適化するという先進的なコンセプトを掲げています。本記事では、2026年モデルの詳細なスペック、新設されたSEシリーズの特徴、そしてフラッグシップモデル「LX2」とコンパクトモデル「PX2」それぞれの魅力について詳しく解説していきます。

BESV SMALO 2026年モデルとは
BESV SMALO 2026年モデルは、電動アシスト自転車に人工知能とインターネット接続機能を統合した「スマートe-Bike」です。単にスマートフォンと連携できるだけでなく、自転車自体が演算能力を持ち、ライダーの意図を汲み取って自律的に制御を行う点が最大の特徴となっています。
SMALOの中核を成すのは、BESVが独自に開発した「G2インテリジェントテクノロジー」と呼ばれるシステムです。車体に搭載された複数のセンサー、具体的にはトルクセンサー、スピードセンサー、ケイデンスセンサー(ペダル回転数を測定するセンサー)からの情報を統合し、AIアルゴリズムによってリアルタイムに解析します。一般的なe-Bikeのアシスト制御が「ペダルを踏む力に対して比例的にモーター出力を返す」という単純なものであるのに対し、SMALOのAIは走行状況の文脈を理解しようと試みます。
具体的には、ペダルを踏む力が強くても、それが発進時なのか、登坂時なのか、あるいは高速巡航中の加速なのかを判別し、それぞれに最適な出力カーブを適用します。さらに、このシステムは学習機能を備えており、ライダーの体力や癖をデータとして蓄積します。高ケイデンスを好むか、トルク走行を好むかなど、ライダーの特性に応じて、乗れば乗るほど馴染むアシストフィールへと進化していくのです。
2026年新ラインナップ「SEシリーズ」の登場
2026年モデルにおける最大のトピックは、「SEシリーズ」の登場です。SEは「Smart Entry」を意味し、SMALOの先進性を維持しつつ、導入障壁を下げることを目的としています。従来のSMALOは、4G通信モジュールとGPSを車体に内蔵した「コネクテッドモデル」として展開されていました。自転車が単独でインターネットに接続し、クラウドサーバーへステータスを送信し続けることで、オーナーはどこにいても愛車の位置確認やバッテリー残量の把握、盗難時の追跡が可能でした。
しかし、この高度な機能は通信コストと車体価格の高騰という課題も抱えていました。SEシリーズでは、4G通信モジュールを省略し、通信手段をスマートフォンとのBluetooth接続のみに変更しました。この変更により失われた機能は、遠隔地からの現在地確認、遠隔地からのステータス確認、4G経由の盗難アラート通知といった、自転車がライダーの手元にない場合に機能するものです。
一方で、維持された機能は極めて重要です。AIドライビング制御、オートマチック変速(LX2の場合)、スマートロック(アプリ解錠)、近接自動接続、走行ログの記録、ファームウェアアップデートといった、走行体験や日常の使い勝手に直結する機能は、SEシリーズでも完全に利用可能となっています。つまり、「走り」の質に関しては、上位モデルと全く遜色がありません。
SMALO SEシリーズの価格とコストパフォーマンス
4Gモジュールを排したことによるコストダウン効果は劇的です。28インチのフラッグシップ「LX2 SE」は328,000円(税込)、20インチのコンパクトモデル「PX2 SE」は298,000円(税込)というプライシングが設定されました。従来のコネクテッドモデルがそれぞれ398,000円、348,000円であったことを考慮すると、LX2で7万円、PX2で5万円もの価格差が生まれています。
特にPX2 SEが30万円を切ったことは、国内の大手メーカーであるパナソニックやヤマハ、ブリヂストンのハイエンドモデルと直接競合する価格帯に降りてきたことを意味します。これまで「高嶺の花」であったAI搭載バイクを現実的な選択肢へと押し上げた点で、市場に大きなインパクトを与えています。
コネクテッドモデルでは、初年度は無料ですが、2年目以降は月額または年額での通信費支払いが必要でした。サブスクリプション型サービスへの疲労感が見られる昨今において、「月額費不要」というSEシリーズの仕様は、購入後の心理的な負担を大きく軽減します。また、AppleのAirTagなど安価な紛失防止タグが普及した現在、高価な4Gモジュールによる追跡機能よりも、タグを車体に隠して運用する方がコストパフォーマンスが良いと判断するユーザーにとっても、SEシリーズは合理的な選択肢となります。
フラッグシップモデル「SMALO LX2」の特徴
SMALOブランドを象徴するのが、28インチホイールを採用したクロスバイクタイプの「LX2」です。このモデルは、ペダルを回すだけでギアチェンジもアシスト調整もすべて自転車が行う「フルオートマチック」の走行体験を提供します。
SMALO LX2のデザインと機能美
LX2のデザインは、既存の自転車の枠組みを超えた美しさを持っています。特徴的なのは、トップチューブが地面と水平に近い「ホリゾンタル」形状を描いている点です。この太いトップチューブの先端には、自動車のヘッドライトを模した高輝度のLEDライト(380ルーメン)が埋め込まれており、夜間の視認性を確保すると同時に、SMALOのアイデンティティを形成しています。
さらに、ブレーキホースや電装ケーブルはすべてハンドルステムからフレーム内部へと引き込まれる「フル内装」設計となっており、外観のノイズが極限まで排除されています。溶接痕もスムース処理されており、まるでカーボンフレームのような一体感を持っていますが、素材は堅牢なアルミニウム合金です。この洗練されたデザインは、所有する満足感を大きく高めてくれます。
オートマチック7段変速の仕組み
LX2の最大の特徴であり、PX2にはない機能が「オートマチック変速」です。リアハブには信頼性の高いシマノ製の「Nexus Inter-7」内装7段変速機が採用されています。通常、Nexusはグリップシフターなどでワイヤーを引いて変速しますが、LX2ではこれを電子アクチュエーターで制御しています。
AIがスピード、ペダル回転数(ケイデンス)、ペダルトルクを常時監視し、「今、ライダーにとって最適なギア」を判断して自動的に変速を行います。例えば、信号待ちで停止すると、AIは自動的にギアを1速(軽いギア)に戻します。これにより、再発進時は驚くほど軽くスムーズにスタートできます。速度が上がるにつれて、シームレスに2速、3速とシフトアップしていき、巡航時にはトップギアに入ります。
この一連の動作にライダーの操作は一切不要です。「変速を忘れて重いギアで発進してしまう」という自転車特有のストレスから完全に解放される体験は、一度味わうと戻れないほどの快適性をもたらします。
フロントハブモーターの採用とその理由
LX2は、モーターを前輪の中心(ハブ)に配置した「フロントハブモーター」方式を採用しています。モーター出力は250Wです。なぜ、スポーツe-Bikeで主流のセンターモーター(クランク軸駆動)やリアハブモーターではないのでしょうか。これには明確な理由があります。
リアにはシマノの内装変速機とトルクセンサーが搭載されており、構造的にモーターを配置するスペースが限られます。また、前輪をモーターで駆動し、後輪を人力で駆動することで、実質的な「両輪駆動」となり、直進安定性が向上するというメリットもあります。ただし、フロントモーター特有の挙動として、急な上り坂で前輪の荷重が抜けた際にスリップしやすい点や、ハンドル操作に重量感が出る点は留意すべきです。平地での巡航性能は極めて高い評価を得ている一方で、激坂での登坂力に関しては、センターモーターを搭載したモデルに譲るという声も見受けられます。
LX2のバッテリー仕様と充電について
LX2のバッテリー(504Wh)はダウンチューブに完全に統合されており、ユーザーによる取り外しができません。これはデザインの美しさとフレーム剛性を高めるための設計ですが、運用面では大きな制約となります。充電を行うには、自転車本体をコンセントの近くまで移動させる必要があります。
ガレージのある戸建て住宅や、自転車を室内に持ち込める環境であれば問題ありませんが、駐輪場に電源がないマンション居住者にとっては、購入を断念せざるを得ない要因となり得ます。その分、航続距離は最大120km(エコ走行時)と長く確保されており、日常的な使用であれば週に1回程度の充電で済むよう設計されています。
コンパクトモデル「SMALO PX2」の魅力
LX2が「走りの理想」を追求したモデルだとすれば、20インチ径の「PX2」は「生活の実用」を追求したモデルです。特に日本の都市環境においては、PX2の方がより適した選択肢となるケースが多いでしょう。
PX2のコンセプトと取り回しの良さ
PX2は、全長が短くタイヤが小さい「ミニベロ(小径車)」カテゴリに属します。小回りが利き、エレベーターへの積載や狭い路地での走行が容易です。フレーム形状もLX2とは異なり、トップチューブが低くスローピングしているため、またぎやすく、小柄な方(推奨身長153cm以上)でも安心して乗ることができます。
都市部での使用を想定すると、駐輪スペースの確保や取り回しのしやすさは重要なポイントとなります。20インチの小径タイヤは、狭い路地での方向転換や、混雑した歩道での押し歩きにおいても扱いやすさを発揮します。
着脱式バッテリーという決定的なアドバンテージ
LX2との最大の違いにして最大のメリットが、バッテリーが取り外し可能であるという点です。シートチューブ後方に配置されたバッテリーは、キー操作で簡単に取り外すことができ、室内に持ち込んで充電することが可能です。
日本の住宅事情、特に集合住宅において、この仕様は必須条件とも言える機能です。LX2のデザイン性を犠牲にしてでもPX2を選ぶ決定的な理由となり得ます。バッテリー容量や充電時間はLX2と同等スペックを持っていますが、車体重量やタイヤ径の違いにより、最大航続距離は約80kmとLX2よりやや短くなっています。
前後サスペンションによる快適な乗り心地
小径車はタイヤ径が小さいため、路面の凹凸を拾いやすく乗り心地が悪化しやすい傾向にあります。しかしPX2は、フロントフォークだけでなく、リアフレームにもサスペンション機構を備えた「フルサスペンション」構造を採用しています。
これにより、歩道の段差や石畳の上でも衝撃が見事に吸収され、見た目からは想像できないほどマイルドで快適なクルージングが可能になっています。「乗り心地に関してはサスペンションのあるPX2の方が好印象」という評価も得られており、都市部の荒れた路面を走るコミューターとしてはLX2以上の適性を持っています。
PX2のアシストシステムとスマートモード
PX2には、LX2のような「オートマチック変速機」は搭載されていません。変速は一般的な自転車同様のマニュアル操作となります。しかし、AIによる「スマートモード」は搭載されており、ギアチェンジがなくとも、ペダルを踏む力に応じてモーターが強力にアシスト力を変化させます。
BESVのスマートモードは非常に優秀で、ギア操作を頻繁に行わなくても、モーターのトルクでグイグイと車体を前に押し出してくれます。イージーライドという点ではLX2に引けを取りません。
専用アプリ「BESV Smart Plus App」によるデジタル体験
BESV SMALOシリーズの真価は、ハードウェアと対になる専用アプリ「BESV Smart Plus App」によって発揮されます。専用アプリをインストールしたスマートフォンは、自転車とペアリングすることで高機能なサイクルコンピューターへと変貌します。
ハンドルバーにスマホホルダーで固定すれば、スピード、走行距離、消費カロリー、パワー出力(ワット)、ケイデンス(回転数)といった詳細なデータをリアルタイムで表示できます。また、マップ機能によるナビゲーションも可能で、バッテリー残量に応じた「到達可能範囲」を地図上に可視化する機能は、電欠(バッテリー切れ)の不安を解消する優れた機能です。
2026年モデル(SE含む)では、このアプリを通じて車体のファームウェアアップデートが行われます。これにより、購入後もAIの制御ロジックが改善されたり、新機能が追加されたりする可能性があり、ハードウェアが陳腐化しにくいというメリットがあります。
強固なセキュリティシステム「E-Lock」
SMALOには、物理的な鍵穴が存在しません。代わりに搭載されているのが「E-Lock(イーロック)」と呼ばれる電子ロックシステムです。後輪に装備されたこのロック機構は、アプリ上のボタンをタップするか、事前に設定したPINコード(暗証番号)を車体のボタンで入力することで解錠されます。
SEシリーズの場合、Bluetooth接続されたスマホを持って自転車に近づくだけで認証が行われ、スムーズに解錠できる機能も備わっています。また、ロック中に自転車が振動や移動を検知すると、車体に内蔵されたスピーカーから大音量のアラームが鳴り響き、盗難を抑止します。
4Gモデル(コネクテッド)であれば、この瞬間にスマホへ通知が飛びますが、SEモデルの場合はアラーム音による威嚇のみとなります。それでも、物理的に後輪が固定され、警報が鳴る自転車を盗み出す心理的ハードルは非常に高いと言えます。
SMALO LX2とPX2の比較
SMALO LX2とPX2、それぞれの特徴を比較すると、用途に応じた選択がしやすくなります。
| 項目 | LX2 SE | PX2 SE |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 328,000円 | 298,000円 |
| ホイールサイズ | 28インチ | 20インチ |
| 変速システム | オートマチック7段 | マニュアル |
| バッテリー | 504Wh(内蔵固定) | 504Wh(着脱可能) |
| 最大航続距離 | 約120km | 約80km |
| サスペンション | フロントのみ | 前後フルサス |
| 推奨身長 | 160cm以上 | 153cm以上 |
この表からわかるように、LX2は先進技術を詰め込んだフラッグシップとして、オートマチック変速や長距離走行を重視する方に適しています。一方、PX2は着脱式バッテリーと前後サスペンション、コンパクトなサイズ感により、都市部での実用性を重視する方に適しています。
競合他社との比較におけるSMALOの優位性
SMALOの直接的な競合としては、かつて一世を風靡したオランダのVanMoof(バンムーフ)や、国内メーカーのハイエンドモデルが挙げられます。VanMoof S5もオートマチック変速やブーストボタンを備えていますが、同社は2023年に経営破綻し、日本国内でのサポート体制に大きな空白期間が生じました。
対してBESVは、日本法人(BESV JAPAN)が長年にわたり安定した運営を行っており、全国の正規ディーラーで修理やメンテナンスを受けられる体制が整っています。独自パーツの塊であるスマートe-Bikeにおいて、故障時に「持ち込めるリアル店舗がある」という安心感は、スペック以上の価値があります。
また、走行性能においても、VanMoofの変速機が故障しやすいという報告が多いのに対し、SMALO LX2は自転車業界の標準であるシマノNexusを採用しているため、耐久性と信頼性の面で優れています。
国内メーカーとの比較では、ヤマハやパナソニックのハイエンドモデルは、自転車としての基本性能やモーターのパワーにおいて非常に高い完成度を誇ります。特にセンターモーターによるダイレクトなアシスト感は、スポーツ走行を好むライダーには好まれます。しかし、「スマート機能」に関してはBESV SMALOが圧倒的にリードしています。国内メーカー車は依然として物理鍵やシンプルな液晶スイッチが主流であり、アプリ連携やAI制御、電子ロックといったユーザー体験の領域ではSMALOのような先進性は見られません。
LX2 SEを選ぶべき方
先進技術への好奇心が強い方には、LX2 SEがおすすめです。「オートマチック変速」という、自転車の常識を覆す体験に価値を感じるならLX2一択となります。信号でのストップ&ゴーが多い都市部の平地中心の通勤通学では、自動変速の恩恵を最大限に受けられます。
バッテリーが取り外せないため、充電環境が整っていることが絶対条件となります。ガレージや室内に自転車を持ち込める環境がある方に適しています。また、ケーブルレスで未来的なホリゾンタルフレームの美しさは、所有する満足感を高めてくれるため、デザインを重視する方にもおすすめです。
PX2 SEを選ぶべき方
集合住宅にお住まいの方には、PX2 SEがおすすめです。バッテリーを取り外して充電できることは、日本の都市生活において最大のメリットとなります。前後サスペンションによる柔らかな乗り心地は、段差の多い日本の歩道や路側帯で真価を発揮するため、快適性を求める方にも適しています。
20インチの足つきの良さと取り回しの軽さは、小柄な方や女性にとって日常のパートナーとして最適です。さらに、AI搭載のe-Bikeが298,000円で手に入ることは、市場全体を見渡しても稀有なバリューであり、コストパフォーマンスを重視する方にとって魅力的な選択肢となります。
まとめ
BESV SMALO 2026年モデルは、ハードウェアの信頼性とソフトウェアの先進性を高い次元で融合させ、さらにSEシリーズによって価格の適正化を図った、極めて完成度の高いプロダクトです。4G通信という「あれば便利だが必須ではない」機能を削ぎ落とし、Bluetoothのみに絞ることで実現した30万円前後という価格設定は、これまで購入を躊躇していた層にとって強力な動機となります。
単なる移動手段を超え、テクノロジーと共に走る楽しさを提案するこのバイクは、未来の都市移動のスタンダードとなるポテンシャルを秘めています。自分のライフスタイルや住環境に合わせて、LX2 SEとPX2 SE、どちらが適しているかを検討してみてください。



コメント