2026年におけるロードバイクのリムブレーキは、マスマーケットでの標準規格としての役割を終えましたが、完全に消滅したわけではありません。ディスクブレーキがパフォーマンスロードバイクの主流となった現在においても、GIANTのような大手メーカーがリムブレーキモデルを継続し、シマノもハイエンドコンポーネントでリムブレーキ対応を維持しています。リムブレーキは「終了」ではなく「純化」のフェーズに入り、軽さとシンプルさを求める愛好家や、輪行文化が根付く日本市場において、明確な存在意義を持ち続けているのです。
本記事では、2026年のロードバイク市場におけるディスクブレーキとリムブレーキの現状を徹底解説します。主要メーカーの対応状況、コンポーネントの供給体制、ホイール市場の変化、そしてリムブレーキを選ぶメリットとリスクについて、詳しくお伝えしていきます。

2026年ロードバイク市場におけるディスクブレーキとリムブレーキの現状
2026年のロードバイク市場は、もはや「ディスクブレーキかリムブレーキか」という単純な二項対立ではなくなりました。市場はマスプロダクトとしてのディスクブレーキと、趣味性の高いニッチプロダクトとしてのリムブレーキという、明確な棲み分けのフェーズに移行しています。
ディスクブレーキは雨天時の制動力や長いダウンヒルでの安定性において圧倒的な優位性を持ち、特にグラベルロードや悪天候での走行を想定するライダーにとって最適な選択肢となっています。一方でリムブレーキは、軽量性とメンテナンスの容易さ、そして構造のシンプルさという独自の価値を保ち続けています。
この変化は機材の供給構造、価格設定、そしてユーザーの楽しみ方に不可逆的な影響を与えました。多くの競合メーカーがカーボンフレームのリムブレーキモデルをカタログから完全に削除し、エントリーグレードのアルミモデルですらディスクブレーキ化を進める中、一部のメーカーは特定の市場ニーズに応える形でリムブレーキモデルを継続しています。
GIANTが2026年モデルでリムブレーキを継続した理由
2026年モデルの発表において業界関係者を驚かせたニュースの一つが、世界最大の自転車メーカーであるGIANT(ジャイアント)の動向でした。同社は日本市場向けにフルカーボンのリムブレーキロードバイク「TCR Advanced 3 KOM」および「TCR Advanced 3 LTD」をラインナップに残したのです。
Gen9フレームを採用した技術的背景
2026年モデルとして販売されるTCR Advanced 3は、最新の第10世代(Gen10)フレームではなく、先代にあたる第9世代(Gen9)のAdvancedグレードフレームを採用しています。一般的に型落ちのフレームを使用することはネガティブに捉えられがちですが、リムブレーキ仕様のGen9 TCRに関しては「完成された名機」としての評価が定着しています。
Gen9 TCRは重量剛性比において極めて高いパフォーマンスを誇ります。ディスクブレーキ化によって重量増を余儀なくされた同価格帯の最新エントリーディスクロードと比較しても、純粋なフレーム重量では軽量であることがほとんどです。完成車重量での軽さは登坂性能に直結するため、「KOM(King of Mountain)」の名を冠したこのモデルは、予算を抑えつつヒルクライムに挑戦したい層にとって実質的な戦闘力を持っています。
また、28mm幅のタイヤクリアランスを確保している点も見逃せません。リムブレーキキャリパーの構造的な限界に近いこのクリアランスは、現代のトレンドであるワイドタイヤの恩恵を、リムブレーキユーザーでも享受できることを意味しています。快適性の向上と転がり抵抗の低減という、ワイドタイヤがもたらすメリットを体感できるのです。
日本市場とリムブレーキの親和性
このモデルが日本市場で特に重要視される背景には、欧米とは異なる日本独自の自転車文化があります。
日本では「輪行(Rinko)」という独自の文化が根付いています。鉄道網が発達し、自転車を専用の袋に収納して電車で移動するスタイルが一般的な日本において、ディスクブレーキシステムはいくつかの課題を抱えています。ローターが移動中に曲がってしまうリスク、ホイールを外した状態でブレーキレバーを握ってしまった際のピストンの突出トラブル、そして担いで運ぶ際の重量増といった問題です。構造が単純でトラブルに強く、軽量なリムブレーキ車は、輪行ツーリングを楽しむサイクリストにとって依然として最適解の一つなのです。
また、学生競技や部活動における需要も無視できません。予算が限られる学生にとって、初期導入コストが安く、メンテナンスが容易で、部室にある既存のホイール資産を活用できるリムブレーキ車は、実用的な選択肢として機能し続けています。GIANTのTCR Advanced 3は、こうした「実利」を求める層にとっての最後の砦として機能しているのです。
シマノのコンポーネント供給体制と2026年の選択肢
リムブレーキ車を運用し続ける上で最も深刻な課題となるのが、コンポーネント(変速機やブレーキレバー)の供給と互換性の問題です。2026年におけるシマノのラインナップは、ハイエンドとミドルグレードの間で対応が分断される「ねじれ現象」を引き起こしています。
DURA-ACEとULTEGRAのリムブレーキ対応
シマノは最新の12速Di2(電動変速)システムであるDURA-ACE R9200シリーズおよびULTEGRA R8100シリーズにおいて、リムブレーキ用のデュアルコントロールレバー(ST-R9250、ST-R8150)をカタログに残しました。
これは非常に重要な意味を持っています。S-Works Tarmac SL6やPinarello DOGMA F12といった「リムブレーキ時代の最高傑作」と呼ばれるフレームを所有するユーザーが、フレームを買い替えることなく最新の変速性能を手に入れられる唯一のパスだからです。圧倒的な変速スピードとセミワイヤレスシステムの利便性を、愛着あるリムブレーキフレームで享受できるのです。
ただし、これらのリムブレーキ用Di2レバーは、ディスクブレーキ用レバーとは異なりワイヤレス通信機能が内蔵されていない場合があります。そのためバッテリーやディレイラーとの接続にはエレクトリックケーブル(EW-SD300)を用いた有線接続が必要となるケースが多いです。しかしその分、レバー自体の重量は軽量に仕上がっており、軽量化を追求するライダーにとってはむしろ好都合な仕様とも言えます。
105グレード以下におけるリムブレーキの選択肢
ハイエンドでの対応とは対照的に、最もユーザー数が多いボリュームゾーンである「105」グレードの最新12速化(R7100シリーズ)においては、リムブレーキ用レバーが一切用意されませんでした。
105 Mechanical(機械式)12速コンポーネントは油圧ディスクブレーキ専用設計としてリリースされており、リムブレーキ用のSTIレバーが存在しません。これにより「手頃な価格で最新の12速コンポを使いたい」というリムブレーキユーザーの要望は、シマノ純正のルートでは完全に絶たれることとなりました。
2026年現在、リムブレーキユーザーがシマノ製品で12速化を図る場合、高価なULTEGRA Di2以上のレバーを購入してディレイラーのみ105を組み合わせるか、あるいは旧世代の11速(105 R7000系)を使い続けるかという極端な二択を迫られています。この「ミドルグレードの空白」は、後述する新興コンポーネントメーカーが台頭する大きな要因となっています。
Tiagra以下のエントリーグレードの現状
Tiagra(4700系)、Sora(R3000系)、Claris(R2000系)といったエントリーグレードに関しては、モデルチェンジサイクルが長いこともあり、2026年時点でもリムブレーキ対応の現行品が継続販売されています。これらは主に補修用や低価格帯の完成車向けとして機能していますが、レーススペックのパフォーマンスを求める層にとってはアップグレードの対象とはなり得ません。
SRAMとCampagnoloのディスクブレーキ移行状況
シマノ以外の主要メーカーであるSRAM(スラム)とCampagnolo(カンパニョーロ)の動向は、さらにドラスティックです。
SRAMの完全ディスクブレーキ化
SRAMはシマノよりも早く、そして徹底的にディスクブレーキへの移行を推進しました。最新のRed AXS E1やForce AXSなどの無線12速コンポーネントにおいて、リムブレーキのサポートは事実上終了しています。
SRAMの現行ラインナップにおいて、リムブレーキ用キャリパーやレバーの存在感は極めて薄く、公式サイトの製品ページからも徐々に姿を消しつつあります。特にSRAMの無線システム「AXS」は、ブレーキシステムも含めたトータルインテグレーションを前提に設計されており、古い規格への後方互換性は優先順位が低いのです。2026年にSRAMで高性能なリムブレーキ車を組むことは、中古市場で旧型のeTapパーツを探さない限り極めて困難なミッションとなります。
Campagnoloの伝統からの転換
かつて「ロードバイクの美学はリムブレーキにあり」とばかりに伝統的なスタイルを固持していたイタリアのCampagnoloも、生き残りをかけてディスクブレーキへ大きく舵を切りました。
最新のフラッグシップモデル「Super Record Wireless」はその名の通りワイヤレス化を果たしましたが、同時に「ディスクブレーキ専用」となりました。リムブレーキ版の設定はありません。また、ホイールの代名詞である「Bora」シリーズの新型もディスクブレーキ専用設計となり、リムブレーキモデルの開発は凍結されています。
Campagnoloを愛するファンにとって、2026年は「新品でハイエンドなリムブレーキグループセットが手に入らない」という、かつてない冬の時代の到来を意味しています。ChorusやRecordの機械式12速リムブレーキセットは市場流通在庫のみとなっており、プレミア価格での取引も散見されます。
2026年のホイール市場における大手ブランドの撤退と新興勢力
リムブレーキロードバイクの性能を決定づける最も重要なパーツであり、かつ消耗品でもあるのが「ホイール」です。特にリムのブレーキトラックは摩耗するため継続的な供給が不可欠ですが、2026年のホイール市場は大手ブランドの撤退と新興ブランドの台頭によって勢力図が完全に塗り替えられています。
大手ブランドのリムブレーキ開発終了
Zipp(SRAM傘下)、Roval(Specialized傘下)、Enve、Bontrager(Trek傘下)といった北米系を中心とするトップブランドは、2020年代初頭の時点でリムブレーキ用ハイエンドホイールの新規開発を終了しました。2026年現在、これらのブランドのカタログにリムブレーキモデルは存在せず、補修用リムの入手すら困難になり始めています。かつて憧れの存在であった「Zipp 404 Firecrest」や「Roval CLX 50」のリムブレーキ版は、今や中古市場でしか出会えない遺産となりました。
DT SwissとMAVICによるリムブレーキサポートの継続
一方で、欧州系の老舗ホイールメーカーの一部はリムブレーキユーザーを見捨てていません。
スイスの精密機器メーカーであるDT Swissは、2026年のカタログにおいてもハイエンドモデル「ARC 1100 DICUT」や「PRC 1400 SPLINE」のリムブレーキ仕様を残しています。これはエアロダイナミクスとハブの回転性能において世界最高峰の技術を、リムブレーキ車でも享受できる数少ない選択肢です。また、手組みホイール用の高性能リム(RR411、RR511など)の単体供給も継続しており、ショップオリジナルの手組みホイールという文化を支えています。
フランスのMAVIC(マヴィック)もまた、主力はディスクブレーキへ移行しつつもCosmic SLRシリーズなどでリムブレーキモデルの供給を続けています。特にMAVICの「Exalith(エグザリット)」のような特殊加工リムは、リムブレーキの制動力を向上させる技術として根強い人気がありますが、その補修パーツの供給がいつまで続くかは予断を許しません。
中華カーボンホイールブランドの成熟と台頭
大手メーカーが去った後の「ハイエンド・リムブレーキ・カーボンホイール」という巨大な空白地帯を埋めているのが、中国系の高品質ホイールブランドです。かつて「中華カーボン」と呼ばれ品質面で疑問視されていた彼らは、2026年には技術的に成熟し、性能面で大手ブランドを脅かす存在へと進化しました。
Winspace(Lún HYPERシリーズ)は、カーボンスポークを採用し驚異的な反応性と軽量性を実現しています。リムブレーキモデルを主力ラインナップとして維持し続けており、プロチームへの供給実績もあることからその性能は実戦で証明されています。
EliteWheels(Driveシリーズ)の「Drive 40V」「Drive 50V」といったモデルは、ペア重量1300g前後という超軽量スペックと、カーボンスポーク、セラミックベアリングを標準装備しながら大手ブランドの半額以下の価格設定を実現しています。彼らは2026年においてもリムブレーキモデルを「過去の製品」としてではなく「現役の主力製品」として扱っており、ブレーキトラックの耐熱処理や排水パターンの改良など技術的なアップデートを継続しています。
Superteamはより手頃な価格帯で、デザインやリムハイトのバリエーション豊富なカーボンホイールを提供しています。カスタムビルドの自由度が高く、愛車のドレスアップを楽しみたいユーザーにとって貴重な存在です。
これらのブランドは「リムブレーキユーザーはまだ世界中に大勢いるのに、彼らが欲しがる高性能ホイールを誰も売っていない」という市場の歪みを正確に捉え、そこをビジネスチャンスとして展開しています。その結果、2026年のリムブレーキ車の足回りは欧米ブランドではなくアジアブランドによって支えられているのが実情です。
リムブレーキの技術的メリットとディスクブレーキとの比較
ここで一度立ち止まり、冷静に技術的な側面からリムブレーキの価値を再評価してみましょう。市場はディスクブレーキ一色に染まりましたが、物理法則に照らし合わせればリムブレーキには依然として明確なメリットが存在します。
軽量性という絶対的なアドバンテージ
ロードバイク、特にヒルクライムにおいて「軽さは正義」という価値観は変わっていません。ディスクブレーキシステムはローター、キャリパー、油圧オイル、そして制動力に耐えうるために強化されたフレームとフォーク、スポーク本数の増加などによりシステム全体で重量増を招きます。
同価格帯の完成車を比較した場合、リムブレーキ車はディスクブレーキ車よりも500gから1kg近く軽量に仕上がることが一般的です。6.8kgというUCI規定重量制限に縛られないアマチュアライダーにとって、この重量差は登坂タイムに直結する無視できない要素です。2026年になっても富士ヒルクライムのようなイベントで上位を目指すライダーたちが、中古の軽量リムブレーキフレームを探し求める理由はここにあります。
エアロダイナミクスにおける意外な優位性
一般的に「ディスクブレーキ化によってケーブルが内装され、エアロ性能が向上した」と言われますが、これは一面的な真実です。リムブレーキ車であっても、TREK Madone 9やSpecialized Venge ViASのようにケーブルを完全に内装しブレーキキャリパー自体をフレームと一体化させたモデルは、現代のディスクロードと遜色のない空力性能を発揮します。
ローターという回転体が空気抵抗を生み出すディスクブレーキに対し、リムブレーキはそのような突起物がありません。特に横風の影響を受けにくいという点において、リムブレーキには空力的なメリットが残されています。
メンテナンス性と自己整備の楽しさ
油圧ディスクブレーキのメンテナンス(ブリーディング作業やピストンの清掃)は専門的な知識と道具を必要とし、多くの一般ライダーにとっては「ショップに任せるべき作業」となりました。一方、リムブレーキは構造がシンプルであり、ワイヤーの交換やシューの調整といったメンテナンスをユーザー自身が行うことが容易です。
この「自分で整備できる」という感覚は、自転車を単なる移動手段やスポーツ機材としてだけでなく「いじって楽しむホビー」として捉える層にとって非常に重要な要素です。2026年において、リムブレーキ車は「真空管オーディオ」や「マニュアルトランスミッションの車」のように、不便さを理解した上でそのシンプルさとダイレクトな操作感を愛する人々のための趣味性の高い機材へと昇華しています。
中古市場におけるリムブレーキフレームの価値と再評価
2026年の中古市場において、興味深いトレンドが発生しています。それはかつてのハイエンド・リムブレーキフレームの価値が見直され、底値をついた後に価格が安定あるいは上昇傾向にあるという現象です。
リムブレーキ時代の名車たちの復権
特に以下のモデルは、リムブレーキ時代の完成形として神格化されつつあります。
Specialized S-Works Tarmac SL6はダイレクトマウントブレーキを採用し、軽量性、空力、剛性のバランスが完璧と称される名車です。ディスクブレーキへの移行期に生まれたこのモデルはリムブレーキの到達点として、2026年でも高値で取引されています。
Pinarello DOGMA F10およびF12は独特のアシンメトリックデザインと圧倒的なブランド力を持ち、リムブレーキ仕様であってもその価値を失いません。特にF12のリムブレーキモデルは生産数が少なく、希少価値が高まっています。
Cannondale SuperSix EVO(Gen 2)はホリゾンタルに近いクラシックな形状と、極限まで削ぎ落とされた軽量フレームを持ち、ヒルクライマーにとっての永遠のスタンダードとして認知されています。
これらのフレームは、最新のディスクロードが150万円から200万円という高価格帯にシフトしてしまった2026年において、「現実的な予算で組める最高性能のバイク」として中古市場で再評価されています。
レストモッド文化とカスタムビルドの楽しみ
古いポルシェやマスタングに最新のエンジンやサスペンションを積んで蘇らせる「レストモッド」と同様に、往年の名作リムブレーキフレームに最新のパーツを組み込んで現代的にアップデートする楽しみ方が定着しています。
例えば、10年前の最高級フレームに新興メーカーの無線電動変速システムやリムブレーキ対応コンポーネントを組み込み、足元にはカーボンスポークホイールを履かせることで、総額を抑えつつ重量6kg台で無線変速という、最新のハイエンドディスクロードにも引けを取らないスペックのマシンを作り上げることが可能です。2026年のリムブレーキシーンは、こうしたクリエイティブなアッセンブルを楽しむ「大人の遊び場」となっています。
リムブレーキ車を維持するための消耗品確保と部品調達
2026年以降もリムブレーキ車に乗り続ける、あるいはあえてこれから購入するユーザーにとって、部品確保は重要な課題です。
ブレーキシューと消耗品の備蓄
最も切実な問題は消耗品です。2026年時点ではまだ入手可能ですが、主要メーカーが生産を縮小している以上、今後数年で選択肢が狭まることは確実です。
特にカーボンリム用の高性能シュー(SwissStop Black PrinceやCampagnolo純正の赤パッドなど)は、市場在庫があるうちに複数セットを確保しておくことが推奨されます。これらが生産終了となればカーボンホイールの運用自体が危ぶまれるためです。
タイヤサイズの選択肢と将来性
最新のホイールはワイドリム化が進みタイヤも28Cや30Cが主流ですが、古いリムブレーキフレームは25C以下のタイヤしか入らない場合があります。高性能な23Cや25Cタイヤのナローサイズは将来的にラインナップから消えるリスクが高いため、これらも確保を検討する価値があります。
ディスクブレーキとリムブレーキの用途別比較
2026年において、両方のブレーキシステムにはそれぞれ適した用途があります。
| 比較項目 | ディスクブレーキ | リムブレーキ |
|---|---|---|
| 制動力(雨天) | 優れている | やや劣る |
| 制動力(晴天) | 優れている | 十分実用的 |
| 完成車重量 | 重め | 軽量 |
| メンテナンス性 | 専門知識が必要 | 自己整備が容易 |
| 輪行のしやすさ | トラブルリスクあり | シンプルで容易 |
| パーツ供給 | 豊富 | 限定的 |
| 初期コスト | 高め | 抑えられる |
| ランニングコスト | 高め | 抑えられる |
ディスクブレーキは雨天走行、長いダウンヒル、グラベル走行などで真価を発揮します。一方、リムブレーキは晴天時のヒルクライム、輪行ツーリング、そして機材いじりを楽しむシーンで依然として魅力的な選択肢です。
2026年にリムブレーキを選ぶ際の注意点とリスク
リムブレーキ車を選択する際には、いくつかの点を理解しておく必要があります。
パーツ供給の先細りへの対応
主要メーカーがリムブレーキから撤退を進めている以上、今後さらにパーツの選択肢は狭まっていきます。特にハイエンドパーツについては、現時点で入手可能なものを確保しておくか、新興ブランドの製品を積極的に活用する姿勢が求められます。
リセールバリューの変動
中古市場では一部の名車が価値を維持していますが、一般的なリムブレーキ車のリセールバリューはディスクブレーキ車に比べて低くなる傾向があります。ただし、純粋に「走る楽しみ」を追求するならば、リセールバリューに左右されず自分の好みで選ぶという考え方も一つの選択です。
用途の見極め
リムブレーキは万能ではありません。雨天時の制動力は確実にディスクブレーキに劣りますし、長いダウンヒルではリムの過熱によるパンクリスクもあります。自分の主な走行シーンを冷静に分析し、リムブレーキが適しているかどうかを判断することが重要です。
2026年以降のロードバイク市場展望とリムブレーキの将来
2026年のロードバイク市場を俯瞰すると、リムブレーキの「完全なる消滅」はまだ訪れていません。GIANTのような大手メーカーによる新車供給、シマノによるハイエンド12速Di2パーツの継続、そして新興ブランドによる高性能ホイールの供給により、リムブレーキ車のエコシステムは驚くほど強固に保たれています。
リムブレーキはもはや「時代遅れの技術」ではなく、不便さを軽さとシンプルさというメリットで相殺し、自らの手で操り整備する楽しみを見出すための洗練された趣味の機材へと進化しました。
ディスクブレーキの制動力が必要なシーンではディスクロードを選び、軽快な登坂や輪行ツーリング、そして機材いじりの楽しみを求めるシーンではリムブレーキ車を選ぶ。2026年の賢明なサイクリストはメーカーのマーケティングに踊らされることなく、自分の走行スタイルに合わせてこの二つを使い分けるか、あるいはあえてリムブレーキを選び取る自由を持っています。
リムブレーキは死にません。それはロードバイクという文化が持つ「深み」の一部として、これからも走り続けることでしょう。


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